Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一
90年代のミニマム・モダン・シンプルが凝縮したテレビ 「SONY TRINITRON COLOR TV KV-10PR1(white)」
毎日冬らしい寒さが続いて本当に寒い。僕のファクトリーも不在が多いためいつも空気がキンキンに冷えていて、注意していないと風邪を引きそうになる。
そんな中、今年から開始するあるプロジェクトのため電車で埼玉の東松山に行ってきた。ここには実は大きい工業団地があって、僕の主宰するデザインアンダーグラウンドのオリジナルカセットテープを作ってもらっている会社もある。
ただ、今回はそちらとは全く別の用件で日本最大の廃棄家電回収処理をしている会社を訪問。どんなものがあるのか興味津々で、倉庫内を案内していただきながら見てきた。詳しくは言えないが、圧倒的な量の家電やその他もろもろの品物が所狭しと並んでいた。
前振りが長くなってしまったが、今回紹介するのはそこのテレビコーナーにあった、今でも魅力を感じる家電。
それはソニーの90年代製のブラウン管テレビ「KV-10PR1」という知る人ぞ知る小型卓上テレビだ。
このテレビは、ダークグレーと今回紹介するオフホワイトの2色が存在する。僕の記憶では当時一般家庭使用はホワイト。ダークグレーは一般家庭でも使用されていたが、よく店舗で販促用ビデオを流すのに活用されていたのを覚えている。
このKV-10はトリニトロンの10インチと画面サイズがちょうど良くデザインも洗練されていて特にホワイトモデルは抗菌仕様で人気だった。
また、映像入力はもちろん出力端子も備え、スピーカーはモノラルだったが十分でトリニトロンの画像は鮮やか、小型のテレビの中では光った存在の製品だった。
現在は地デジ化したためテレビチューナーは使用できないが、映像のモニターとしてはちまたにある安い液晶テレビよりもインテリア性が高くとてもカッコいいのではないだろうか。平面テレビが主流の今こそ存在感が際立つ存在のテレビだと思っている。
SONY TRINITRON COLOR TV KV-10PR1(white)
発売時期:1996年(平成8年)
1996年に起きた主な出来事
- 世界初の哺乳類の体細胞クローンである羊「ドリー」がイギリスで生まれる
- 任天堂の家庭用ゲーム機「NINTENDO64」発売
- 広島県の原爆ドームと厳島神社が世界遺産に登録