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イベントレポート

新時代の触覚を開発せよ! ショッカソン2015潜入レポート

プレゼンテーション&授賞式

それでは、審査員を前に行われた作品のプレゼンテーションや表彰式の様子を交えながら、上位3着に輝いた作品を紹介していこう。

触ってHappy賞(敢闘賞) 「オリオンの憂鬱」by オリオンをなぞる!!

体験者の投票によって選ばれたのは、「オリオンの憂鬱」 。星座を肌で感じたい! という思いから製作されたこの作品は、ディスプレイに表示された無数の星を指でなぞると、それが星座の一部であったときだけ指先に振動が伝わり、対応するLEDが光るというものだ。

触覚ディスプレイHaptivityは京セラ、電気触覚ディスプレイは電気通信大学梶本研究室より提供された。 触覚ディスプレイHaptivityは京セラ、電気触覚ディスプレイは電気通信大学梶本研究室より提供された。

体験者は指先の感覚を頼りに、星座を構成する星を探していく。すべての星に触って星座が完成すると、腕に電流が流れて完成を教えてくれる。星をなぞっていく感覚が楽しく、完成を知らせる電気触覚も刺激的で思わず声が出てしまった。星に触る感覚とLEDの点灯、そして電気刺激という要素が星座を題材にうまくマッチし、多くの体験者の高評価を得ることとなった。

触ってすごい賞(技能賞)「モフミ meets girl」by ハフミ

いちばん優れた技能を発揮したと評価されたのは、「モフミ」

「女の子とおっさんを間接的につなげたい」という野望(?)から生まれたこの作品は、かわいらしいぬいぐるみとヘルメットのセットで構成されている。「TECHTILE toolkit」が仕込まれたぬいぐるみをなでると、その触感がヘルメットの内側に伝わるという仕組みだ。さらに体験者はVRゴーグルを装着しており、なでる動きと連動して女性キャラクタが目の前で手を動かしてくれる。その結果、まるで女の子に直接なでられるような疑似体験をすることができるのだ。

なでられる感覚の再現性とビジュアルの相性がよく、審査員から大好評を博した「モフミ」。カメラをぬいぐるみに内蔵すればさらに再現度が上がり、怪しい体験ができるのでは? など、その後の応用にも話が膨らんだ。 

「触覚の未来を示す」大賞は……?

そして大賞に輝いたのは、チーム「触っちゃダメ ゼッタイ!」の作品群だ。

ピンポンダッシュをしようと指を突っ込んだ子どもを、電気刺激とグロテスクな虫の映像で威嚇する「ピンポンダッシュスクリーマーズ」。 ピンポンダッシュをしようと指を突っ込んだ子どもを、電気刺激とグロテスクな虫の映像で威嚇する「ピンポンダッシュスクリーマーズ」。
「触らないでください」と書かれたケースに手を触れると、振動とともにガラスの割れる音がする「触っちゃダメGlass BOX」。 「触らないでください」と書かれたケースに手を触れると、振動とともにガラスの割れる音がする「触っちゃダメGlass BOX」。
触れた瞬間、激しく音を立てながらドアノブが揺れ動く「誰かいるDoor」。 触れた瞬間、激しく音を立てながらドアノブが揺れ動く「誰かいるDoor」。

以上の3作品に対して大賞が贈られた。それぞれの作品はユーモアにあふれクスリと笑ってしまうようなものであったが、生活の一場面を想定した作りから触覚が生活に溶け込む未来を示したような作品」と評され、見事大賞を勝ち取った。

耳につけているのは、Unity賞で獲得した「Unityちゃんヘアバンド」。 耳につけているのは、Unity賞で獲得した「Unityちゃんヘアバンド」。

チームメンバーの一人は、TECHTILE toolkitを提供した慶應大学の学生でもあった。今回のショッカソンについて感想を聞くと、「研究室のメンバーだけだと頭が固くてひねり出せないようなアイデアが出てくる。開発したデバイスの応用先が見つかるのがすごく楽しい」と、満足そうに語ってくれた。

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