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SOLIDWORKS WORLD 2016レポート

才能を持った頭脳が集結する、ソーシャルエンジニアリングこそがファブラボの秘密——“ファブラボの父”ガーシェンフェルド氏インタビュー

2月1日から3日にかけて米国テキサス州ダラスで開かれた、ミドルレンジ3D CAD「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS WORLD 2016(SWW2016)」(主催:米Dassault Systemes Solidworks)の基調講演に、「Fab —パーソナルコンピュータからパーソナルファブリケーションへ—」(オライリー・ジャパン刊)の著者で“ファブラボの父”と呼ばれるマサチューセッツ工科大学(MIT)The Center for Bit and Atoms所長にニール・ガーシェンフェルド氏が登場した。本稿では基調講演後に行ったガーシェンフェルド氏へのインタビューをお届けする。

なぜガーシェンフェルド氏がSWW2016で講演するのかと思う読者もいるかもしれない。実は米Dassault Systemes Solidworksとファブラボの関係は古く、ファブラボがスタートした2002年当時から米Dassault Systemes Solidworksがサポートしていた。同社は現在FAB Foundationに対するスポンサーシッププログラムを展開中で、ファブラボに対して最新版SOLIDWORKSの商用ライセンスを無償提供している。日本国内でも2014年11月に開始した

MITの職員や学生は、アカデミック/研究用であればSOLIDWORKS最新版が無償で利用できる。 MITの職員や学生は、アカデミック/研究用であればSOLIDWORKS最新版が無償で利用できる。

ファブラボが増えているのは「人々が求めているから」

——ファブラボが世界中に広がっていますが、目指すところは何でしょうか。

「最初は、ファブラボで作ることができるさまざまなマシンのデザインを開発するところから始めたのですが、それはほとんどの人にとって難しすぎることが分かりました。そこで、マシンをもっと簡単に作ることができるマシンビルディングキットを開発したのです。それらを使って、ファブラボがより多くのファブラボを作れるようにする、というのが目的になったのです。別の言い方をすると、このプロジェクトはもともとラピッドプロトタイピングが目的だったのが、ラピッドプロトタイピングのためのラピッドプロトタイピングに変わってきたということになります」

——ファブラボをこれから継続的に発展させるためにどんなことを考えていらっしゃいますか。

「それは、PC革命のさなかに、パソコンを継続的に使い続けるにはどうしたらよいでしょうかと聞かれたようなものですね。いまファブラボから生まれているのは、ビジネスだったり、教育カリキュラムだったり、あるいはインフラ作りだったりします。要するに、テクノロジーとしてコミュニティに変革をもたらすようなものがいろいろと生まれており、そのそれぞれに別の持続可能性があると思います。ファブラボは“Bit”(情報)を入力すると、“Atom”(物質)が出力されるような世界です。

私は積極的にファブラボを増やそうと取り組んでいる訳ではありません。ファブラボが増えているのは、人々から要求があるからであって、私が後押ししているからではないと考えています。ファブラボのような設備を持った施設とファブラボの違いは、ファブラボがネットワークを構成しているところにあります。1つのファブラボだけを見れば持続可能性は低いかもしれません。しかし、それらが集まってネットワークを形成することによって、ビジネスが生まれ、教育カリキュラムが生まれ、インフラが生まれ、さらにいろいろな機能が生まれる。ネットワーク全体で持続可能性を持っているのです。ちょうどインターネットのように」 

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