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今月もクラウドファンディングに◯◯万円使っちゃいました by Kibidango

CESとクラウドファンディング、そして出張に欠かせない快眠系グッズについて

2017年に50周年を迎えたという世界最大規模のコンシューマーエレクトロニクス展示会であるCES。24万平方メートル、東京ビッグサイトや幕張メッセの実に3倍以上の面積で開催されます。3つの会場に分かれ、少しずつ離れているので、多くの人達は会場をハシゴすることになります。大企業のブース(例えば、トヨタやホンダ、パナソニックやソニーなど)はメイン会場となるラスベガスコンベンションセンターで大きなブースを展開しています。

が、私はそのメイン会場には一切足を運びませんでした。理由は簡単。もっと面白い場所があるからです。

サンズという第二会場、特にその1階にある「Eureka Park(エウレーカ・パーク。英語ではユーリカ・パークでしょうか)」と呼ばれる会場こそが、私にとってのメイン会場でした。出展社数3800を数える大規模な展示会。その中の実に600社(対昨年度比で16%アップ)がこの比較的小規模な(それでも十分広いのですが)会場に密集していて、ものすごい熱気を醸し出しています。

いわゆるハードウェアスタートアップ、特にまだできたてホヤホヤの小規模なスタートアップが、自分たちのアイデアをデビューさせる場所。まさに世界のハードウェアスタートアップの孵化する場所となっているのです。そこから回を重ねて、最終的には隆々たるブースを構える企業に成長していく。そんな成り上がりストーリーがこのCESのEureka Parkにはあると感じました。

そして何よりも印象的なのが、出展者の多くが、何らかの形でクラウドファンディングを利用している点です。過去にクラウドファンディングのプロジェクトを開催した会社、これから開催を予定している会社、そして今まさに開催中の会社。「犬も歩けばクラウドファンディングに当たる」と言っても過言ではありません。

そして、お約束のように、その中には我々クラウドファンディングのファンが思わずため息をもらしてしまうようなワクワクするプロダクトがたくさんあるのです。

例えば、こんな感じです。

 

EyeQue

スマホで視力が測れるデバイス。筒のようなレンズをスマホに取り付け、覗き込みながらアプリの中の映像を自分で重ねることで、正しい視力を測ることができるというもの。商品をゲットして自分でも実際に測ってみたのですが、かなり前に処方してもらっていたこともあり、ずいぶんと視力が落ちてしまっているようで、眼科に行かなくては、と感じました。

https://www.kickstarter.com/projects/eyeque/eyeque-personal-vision-tracker-smartphone-vision-t


 

SirenCare

スマート靴下。こう書いてしまうと「なんだ、靴下にまでセンサが付いて、歩数を計ったりするの?」と思うかもしれません。私も最初はそう思っていたのですが、実際に話を聞いてみると全く違っていて、「糖尿病患者は足の感覚が鈍くなることから、ちょっとした傷が化膿して最悪の場合には下肢切断に至るケースがあり、それを未然に防ぐため足の温度変化をモニタリングする靴下」とのこと。素晴らしい発想ですね。

こちらはクラウドファンディングではありませんが、予約受付中で春には出荷予定とのこと。

http://www.siren.care/

 

SPUD

ポーチサイズに折りたためる24インチディスプレイ。折りたたむと、取手付きのポーチのようなサイズになります。24インチディスプレイが持ち運べたら便利ですよね。後ろから投影するので一昔前のブラウン管的なスペースは必要になります。手軽に持ち運びができる液晶プロジェクターはたくさんありますが、この写真のように、イベントや外出先で投影する壁がないときには活躍しそうです。

https://www.kickstarter.com/projects/1677563729/the-spontaneous-pop-up-display-spud

そして、中にはちょっと変わったものも…

 

Square Off

対戦相手のコンピューター(AI)が駒を動かすチェス盤。実際に動画を見てもらえれば、どういうことか分かるかと思います。「日本の人達にもぜひ遊んでもらいたい!」と言っていたので、欲しい人が多ければきびだんごで販売します!

動画に映っているのはコンピュータの番になると駒が勝手に動くだけ(それでも十分面白い)、ですが更に上位機種は、ゲームが終わった後に全部自動で元の場所に戻してくれるリセット機能が付くそうです。ちょっと見てみたい。

https://www.kickstarter.com/projects/infivention/square-off-worlds-smartest-chess-board-relaunched

CES/Eureka Parkを回って感じたこと

この図を見てください。これがEureka Parkの全体図です。これを見ると、実は幾つかの団体がブースをまとめて借りていることがわかります。

青色はいわゆるジャンル別(ウェアラブル、VR、ヘルスケア、スマートホーム、など)
水色は各国政府の後ろ盾による出展(フランス、イスラエル、オランダ、など)
緑はアクセラレータ/インキュベータ(Hardware Club、HAX、Samsung C-Lab、など)
オレンジはスポンサー(indiegogo、TechCrunch、Techstars、など)

日本勢は影も形もない

600社が出展するEureka Parkの中で、日本関係の出展は、私の気づいた限りではきびだんごで以前お手伝いしたPLENと中国GoerTekの合弁会社である、PLENGoer Roboticsと、もう一社あったかどうか、程度。

私は別に国を背負っているわけでも何でもないので、そこまで気にする必要はないのかもしれませんが、さすがにこれはちょっとどうなんだろう……と思いました。

日本が今後とも自国の技術を売りにしていくのであれば、ハードウェアスタートアップの人達がもっと世界を見てもよいのではないでしょうか。サンズの二階やラスベガスコンベンションセンターではたくさんの日本企業が出展しているのは分かるのですが、むしろそこまで大きなブース/大きな投資をしなくても、このEureka Parkに出展をすることで、十分世界中のバイヤーや投資家、メディアを相手に自らのプロダクトを売り込む機会ができるのに。なんてもったいない! と思うのです。

また、単に人ごととして済ませるのではなく、自分としても何かできることがあるのではないか、と強く感じた次第です。来年こそは、そうした日本発のハードウェアスタートアップのお手伝いもできればと感じながら、ラスベガスを後にしました。

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