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Maker系モデル梨衣名がガチで作ってみた

旋盤での金属削り出しもフライス盤での穴あけも全然OK! モデルがガチで金属ハンマーを作ってみた

ガチな機材の前でハンマー片手に微笑む美女…… 前回に引き続き、微妙なミスマッチ感を醸すのは2度目の登場となる梨衣名さん。現役モデルにしてコテコテのリケジョが、さまざまなものづくりにチャレンジする連載企画。第2回はものづくりの聖域DMM.make AKIBAで、「真鍮ハンマー作り」に挑んだ。(撮影:加藤甫)

茨城大学工学部知能システム工学科を卒業し、プログラム言語C++やMATLABを使いこなしたり夢コントローラーの開発を夢見たりという、筋金入りのリケジョとして知られる梨衣名さんだが、今回はそうしたスキルを全く生かせない、旋盤やフライス盤といった金属加工中心の工作だ。ロケットだってネジがなければ組み立てられない──高度経済成長期、より明るい未来を目指して工業大国日本の確立を下支えした町工場の心意気を体感し、そして作るのはハンマー。かなづちとかトンカチとかゲンノウとかナグリなどとも呼ばれる、もっとも原始的な道具である。

そんなわけで、今回はものづくりの原点に立つことで、先人たちの叡智と進化した文明の恩恵に感謝しよう…… というのは後付けで、工作機械に興味津々の梨衣名さんとDMM.make AKIBAのワークショップがうまくマッチングしたことで実現した。

「うわーーすごい!」

工作機械やハイテクマシンがズラリと並ぶDMM.makeのフロアに足を踏み入れるやいなや、梨衣名さんの目がキラキラと輝き、いきなりの機材萌えをかましたため、落ち着くのを待ってからブリーフィング開始。

真鍮ハンマー作りは2つのパートから成る。まずはハンマー本体。大きさの異なる真鍮の円柱3つを削ったり、穴をあけたりネジを切ったりする、掛け値なしの金属加工だ。

それからホルダー作り。こちらは、皮革をカットしたり模様をプリントしたり縫ったりと、手芸的な色合いが濃いが、機材はUVプリンタやレーザーカッターなど男前なものが並ぶ。

旋盤とフライス盤で本体加工

まずは、インストラクターの坂庭さん、村田さんのお二人による親切&丁寧な指導のもと、ハンマー作りからスタート。

用意されたのは、持ち手、ヘッド、結合部用の3つの真鍮性のパーツ。そして、ネジとネジ山を作るタップ、レンチ。 用意されたのは、持ち手、ヘッド、結合部用の3つの真鍮性のパーツ。そして、ネジとネジ山を作るタップ、レンチ。

最初にとりかかるのは、ヘッドの加工だ。直径20mm、高さ16mmの円柱に、卓上旋盤機で深さ8mm、径5.1mmの穴を開ける。その穴にタップでネジを切るという工程。すべての角は面取りを施す。

センタードリルで穴を開ける。 センタードリルで穴を開ける。
穴開きました。 穴開きました。

穴を開けるまでは、設定さえ間違えなければマシンがきちんとやってくれるのだが、ネジ切りは手作業。タップを入れて垂直に回していかなければならない。真鍮はステンレスや鉄よりも柔らかいため加工しやすいといえるのだが、さすがに初めてとなると簡単ではない。回しながら、途中何度も横から見て曲がっていないかをチェック。思わず真剣になる。

無事にネジが切れました。 無事にネジが切れました。

次に接合部の加工。直径17mm、長さ50mmの円柱に同じく面取りから穴開け、皿もみなどかなりの加工を施す。まずは、フライス盤で側面の一部を平面にする。これまで旋盤は使ったことがあるが、フライス盤は初めてという梨衣名さん。エンドミルが地道に往復を重ね、少しずつ平らになっていく真鍮から目が離せない様子。

次は卓上旋盤機で、ヘッドと逆側になる方をテーパー加工(斜めに削る)。片刃バイトを16度の角度にセットし、鉛筆削りの要領で先端が4mm径になるまで削っていって円錐型にする。

往復台を16度に傾ける。ここを間違えなければ、ほぼ問題なし。 往復台を16度に傾ける。ここを間違えなければ、ほぼ問題なし。
鉛筆削りのように、先端が円錐状に削られる。 鉛筆削りのように、先端が円錐状に削られる。
先端が4mm径になるまで削る。 先端が4mm径になるまで削る。
中心に開けた穴に、またまたネジを切る。 中心に開けた穴に、またまたネジを切る。

金属加工完了。終わった後はコンプレッサで掃除がお約束。

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