Julie WataiとTMCNが、あのいたずらアイテムを本気で作ってみた
昭和のガジェット「ブーブークッション」をHack!!!
ハイテクブーブークッションのハイスペック
「Julie Watai ハイテクブーブークッション」プロジェクトのコアメンバーは4人。
まずは名前にあるJulie Wataiさん。アーティストでありフォトグラファーであり電子工作マニアでもあり、当サイトのものづくりラボにもちょくちょく登場するフォトジェニック女子で、最初にブーブークッションを作ろうと思いついた張本人。
プロジェクトリーダーとして全体を統括したのは前本知志さん。
ハード面の制作にあたったのは泉田隆介さん。
ソフト関連は松山周平さん。
男性3人はTMCNのメンバーである。
ハイテクブーブークッションは市販のブーブークッションのハックなどではなく、イチから作り上げたそうだ。
仕様としてまずクッション部。中に圧力センサーと基盤がしこんであり、だれかが座ると検出した圧力を電圧に変換、Arduinoが荷重のかかり方のバランスや全体の圧力などを計算し、PCへ送信する。PC内では受信した値に応じてTouch Designerという開発環境を基盤にしたアプリが、カメラのシャッターを作動させたり、モニターやスピーカーに音と映像を出力したりするという流れだ。
おのおの自分の分担をこなしつつも、相互間でも協力して行った。
たとえばモニター映像は(PCのバグ画面のような)グリッジのイメージにしようと、Wataiさんが制作した1枚絵に松山さんがエフェクトをかけるなどしてデジタルのノイズ感、8ビット感などを出し、アニメーションを仕上げた。
クッションカバーは画像をWataiさんが制作し、生地を外部でプリントしてもらい縫製を行った。泉田さんが作ったデバイスはアクリル板やクッション材など3層からなるかなりゴツいものなので、出し入れがスムーズにできるよう通常は1辺だけにあるファスナーを3辺に渡し、さらに中央のケーブルが通るよう真ん中で合うように付けるなどの工夫を施した。
クッション内のデバイスの周りには綿を詰めるのだが、なぜかこれは前本さんが担当。東急ハンズで手芸用の綿を購入し、バランスよく詰めた。さらによりリアルなオナラ音を追求し「Onara Sound MP3」なる素材集から理想的な音源をゲットした。(名誉のために言うが前本さんはMicrosoft MVP賞を受賞したこともあるハイパーエンジニアである。綿詰めやオナラ音調達以外に見えないところで本来の技術力は発揮していたはず。おそらく)
また、映像とともに流れる「ひっかかったぁ!」「びっくりした?」「オナラしたのこの人です!」などの音声にはプロの声優である吉村加奈子さんを起用するなど、随所にこだわりを見せる。
こうして発案から約半年、各界のオーソリティたちがその実力をフルにムダ使いし、信念と情熱をもって作り上げた「Julie Watai ハイテクブーブークッション」、機会があったらぜひ座っていただきたい。