Julie WataiとTMCNが、あのいたずらアイテムを本気で作ってみた
昭和のガジェット「ブーブークッション」をHack!!!
センサコミュニティTMCNと、アーティストやデジタルフォトグラファーとして活躍するJulie Wataiさん。fabcrossでお馴染みの両者がこの夏タッグを組み、これまでにないスタイリッシュなデバイス作りに挑んだ。それが「ハイテクブーブークッション」である。
……って、ブーブークッションってあれ? あの、オナラが出るクッション?
そうです。何も知らない人を座らせてオナラ音を響かせるいたずらアイテムとして大昔にはやり、今もパーティグッズ、ジョークグッズとして地味に生き残っているあれですね。改めて考えると、本来人間の健全な生理反応である放屁を笑いものにするというウィットのかけらもない低俗な遊びであり、昭和のほのぼの感あってこそのブームなんだろうけれど、ン十年の時を経て名うてのMakerたちにより、あまつさえ頭に「ハイテク」までついて復活。その全貌を紹介しよう。
8月に開催されたMaker Faire Tokyo 2016においてfabcrossブースの一画がにわかに賑わっていた。
「ヤダー!!!」
「びっくりした……!」
「なにこれー!?」
「……(赤面)」
子どもも大人も男子も女子も、何やらキャッキャッキャと楽しそう。
ハイテクブーブークッションを設置したスペースでの一幕だ。
会場を訪れた人を「疲れたでしょう」「ちょっと座って休みませんか」などと言葉巧みに誘い、クッションを置いたイスに誘導。
何も知らない……いや、もちろん明らかに何かあるとわかっている客も、まさかいまさらブーブークッションだなんて思いもせずに座ると「BOOO!!!」と生々しいオナラ音が、それもスピーカーを通じて響き渡るから驚く。さらに、その驚いた瞬間の顔が「今のオナラここです!(矢印で指差しつき)」だの「私がオナラしました」だのの文字とともに正面のモニターに映し出されるのだ。
そう、2016年のブーブークッションとは、オナラをした人(=オナラ音を発した人)を、音だけではなく視覚的にも笑ってしまおうという目論みで開発したまさにハイテク/ハイスペックの代物。
女性や学生は喜び、子ども、特に男子は意外に恥ずかしがり、大人の男性ははにかみ……とまあ、リアクションはそれぞれだが、自分が発したオナラ音とそれに驚いた顔がスピーカーやモニターを通して衆目にさらされるわけだから人間としての尊厳が少なからず損なわれるわけで、もはやイタズラを通り越してプレイか! って話になる。
それでも体験者たちのテンションは上がり、最先端のテクノロジーの結集であるMaker Faireとオナラという原始的な現象によるミスマッチ感への反応はおおむね好評。和やかな空気に包まれるスペースとなった。「あなたたちは小学生ですか!」と、さる外国の婦人につっこまれたときに、開発チームのリーダー前本氏はプロジェクトの成功を確信したという。