Dr.片山の100均ロボット研究室
Dr.片山の100均ロボット研究室 竹フルーツようじの12脚歩行ロボット
こんにちは。片山均(かたやま ひとし)です。私は愛媛県八幡浜市にある三瀬医院で院長をしております。専門は呼吸器内科です。普段は人見知りですが、診察時はニッコニコです。
実は私、趣味でロボットを作っています。ロボットといっても、アニメに出てくるような戦闘ロボットではありません。主に100円ショップの毛玉取り器、竹の箸、ストローなどを使った楽しいロボットです。
この連載で、私が作ったロボットを紹介していきたいと思います。
100均ロボット工作を始めたきっかけ
初回ということで、私がなぜ100円ショップのグッズを使ってロボットを作るようになったのかについてお話ししますね。
私には2人の息子がいますが、彼らにプログラミングやロボットなどに関心を持ってほしいと思ったのがきっかけです。いきなり息子たちにやらせるのはハードルが高いと思い、まずは自分でやってみようということで始めてみました。
しかし、自分も電子工作については知識ゼロ。どうしようかなと思っていたとき、家に羽根を外したままほったらかしになっていた100均の毛玉取り器があることに気付きました。
これは、毛玉の吹き出し口から輪ゴムを出してプーリーに掛けたら動力源になるんじゃないかと思って、以前に買ったものです。
そこで、電子工作はちょっと脇に置いて、この毛玉取り器で何か作ろうと思ったのです。
100均ロボット第1号機は8脚歩行ロボット
私は初めてロボットを作ったのは、2020年1月27日。毛玉取り器を買ってから3カ月余りたっていました。
第1号は、滑り止めシートのベルト、竹フルーツようじの脚などから構成される8脚歩行ロボットです。材料には毛玉取り器、竹のお箸、竹串、竹フルーツようじ、ストロー、タイルマット、滑り止めシート、ゼムクリップ、輪ゴム、そしてタミヤのプーリーセットを使っています。
動いている様子はこんな感じです。
この第1号機、毛玉取り器は本体にグルーガンで接着しており、使い回しはできません。なんとか歩いてはいるものの、滑り止めシートのベルトで動力を伝えているため脚の動きが同期しておらず、非常にぎこちない動作になっていますね。
また滑り止めシートがすぐにちぎれてしまうという問題もありました。
今回のテーマは「12脚歩行ロボット」
さて、連載第1回のロボットは「竹フルーツようじを使った12脚歩行ロボット」です。ロボット工作を始めて1年以上。8脚だったロボットも12脚に進化しました。毛玉取り器の重さを分散させるために、脚部をパワーアップしています。
材料は以下の通りです。
- 毛玉取り器(羽根は取り外します)
- 竹のお箸
- 竹フルーツようじ
- ストロー
- ロリポップスティック
- 画鋲
- 厚紙
- タイルマット
- 輪ゴム
それでは作っていきます。まず、竹のお箸を適当な長さに切り、グルーガンで接着して毛玉取り器が載るやぐらの上部を作ります。
竹のお箸(肌色部分)とストロー(青部分)を使ってやぐらの下部を作ります。
コンパスカッターを使って切り出したタイルマットと厚紙でプーリーを作ります。
プーリーをやぐらの下部に装着して輪ゴムを掛けます。
やぐらの上下をグルーガンで接着していきます。
やぐらと軸にロリポップスティックをグルーガンで接着します。
画びょうを使ってロリポップスティックに竹フルーツようじを留めます。
やぐらに毛玉取り器を載せます。そして輪ゴムを掛けてふたを付けて完成です。
完成形はこんな感じです。
ポイントは、脚を動かす軸の回転を同期させているところ。これにより滑らかな足運びが実現できました。また、等長リンクを多節リンクにすることで思案点(死点)で止まってしまうことを防止しています。
また、リンク機構を小さく頑丈に作るために、グルーガンでクランク部分をガチガチに固定しています。これをやっておかないと、リンク機構がゆがんでしまいます。
第1号機から進化した多脚歩行ロボットはお財布にも優しい設計
今回のロボットは、竹フルーツようじを使った多脚歩行ロボットという点では第1号機と同じですが、機構をベルト式から平行リンクに変更したことで、歩きが軽やかになりました。また、プーリーを自作し、毛玉取り器を取り外し可能にして使い回すことができるので、お財布にも優しい設計となっています。
竹フルーツようじは、ロリポップスティックや画びょうと組み合わせることで、手軽にスロットクランク機構が作れるのでお薦めですよ。
実は、このロボットを作った後、100円ショップに行ったら白色のロリポップスティックを見つけてしまいました。白いほうが良かったなーなんてちょっと後悔しています……。
では、第1回はこの辺で。次回をお楽しみに!
企画・制作:片山均
取材・文:三浦一紀