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Dr.片山の100均ロボット研究室

ミルク泡立て器で歩けちゃう! 竹製4脚ロボットを100均で作る

こんにちは。片山均(かたやま ひとし)です。愛媛県八幡浜市にある三瀬医院で院長を務めながら、夜な夜な100円ショップのグッズを使ってロボット作りに励んでおります。

最近気になっていることがあります。私の近所だけかもしれませんが、100円ショップで毛玉取り器の取り扱いが減ってきている印象です。これはゆゆしき事態。今後も100均ロボを安定して製作するためには、何か別な動力を探さなければなりません。

そんな風に思っていたところ、毛玉取り器の代わりとなる動力源を見つけました。ミルク泡立て器です。

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そこで今回は、ミルク泡立て器を使って4脚歩行ロボットを作りました。これまで歩行ロボットで何度か使ったことのある、チェビシェフリンク機構に、パンタグラフ機構を組み合わせてみました。

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ミルク泡立て器4脚ロボの製作過程

今回の材料は以下の通りです。

  • ミルク泡立て器 1個
  • 竹の箸 17本
  • 竹串 9本
  • 木製スティック 25本
  • 竹フルーツようじ 1本
  • ストロー 1本
  • ミニストロー 3本
  • 厚紙 適量
  • タイルマット 適量
  • 輪ゴム 3本
  • 画鋲 16個
  • 足の長い画鋲 4個
 
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いつもの通り、ざっとした設計図を描きました。

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最初に、竹の箸、ストロー、ミニストローでミルク泡立て器を取り付ける胴体を作っていきます。

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竹フルーツようじでミルク泡立て器の軸受けを作ります。

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竹串を装着します。そのとき、短く切った竹の箸で適宜補強していきます。

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コンパスカッターでタイルマットと厚紙を円形に切り出していきます。

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円形のタイルマットと厚紙でプーリーを3個作ります。

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胴体に輪ゴムを掛けたプーリーを取り付けます。

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木製スティックと竹串で作ったクランクを取り付けます。

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木製スティック、竹の箸、画鋲、足の長い画鋲でチェビシェフリンク機構とパンタグラフ機構を使った脚を作ります。写真左上の2本の木製スティックがチェビシェフリンク、中央のひし形の木製スティックと竹の箸がパンタグラフになっています。

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左右に脚がぐらつかないようにするために、ミニストローを接着します。

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4組の脚を胴体に取り付けたら完成です。

2つの機構を使うことでより生き物らしい動きになった

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完成したミルク泡立て器4脚ロボは、大きな歩幅でゆっくりと歩く優雅なロボットになりました。

チェビシェフリンク機構を使うと、疑似直線運動と早戻り機構により、ロボット本体の上下動が抑えられて、脚が地面から離れる時間が短くなります。それにより、安定した歩行が実現できます。

一方で、この機構では直線運動がリンク機構の内側で行われるため、ロボットの歩行をスムーズにするためにはもう一工夫必要になります。

赤い部分がチェビシェフリンク機構 赤い部分がチェビシェフリンク機構
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これまでは平行リンク機構を使って、直線機構をリンク機構の外側に平行移動させていました。

赤い部分がチェビシェフリンク機構。左下のパンタグラフ機構でチェビシェフリンクの動きを上下反転させています 赤い部分がチェビシェフリンク機構。左下のパンタグラフ機構でチェビシェフリンクの動きを上下反転させています
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今回は上の図や動画のように、パンタグラフ機構と組み合わせました。前者は地面に対して脚が常に垂直になっているのに対し、後者は傾きが変化するため、より生き物らしい歩行になっています。

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パンタグラフ機構は、画像の複写や拡大縮小のときに使用する装置で用いられています。直線上にある支点/力点/作用点と、平行リンクで構成され、各点の取り方で拡大比や方向が変わります。今回はチェビシェフリンクを180度回転させたかったので、真ん中を支点にしました。

ミルク泡立て器本体は無加工なので、取り外せばミルクの泡立てにも使えます(試してはいませんが)。

今回のミルク泡立て器4脚ロボは、縦35cm、横30cm、高さ40cmくらいのサイズとなりました。結構大きめになってしまったので、脚にかかる重量が心配でしたが、竹串を竹の箸で補強するなどして、なんとか4脚歩行ができました。

チェビシェフリンク機構とパンタグラフ機構を組み合わせることで、より生き物らしい歩行になったのではないかと思います。今回はミルク泡立て器を動力にしましたが、ロボットへの取り付けが簡単で、形もシンプルなので使いやすいと感じました。

100円ショップには使ったことのない動力源(元々は動力源ではありませんが)がまだまだあると思うので、これからもいろいろ試していきたいと思います。

第20回の研究発表は以上です。次回もお楽しみに!


企画・制作:片山均
取材・文:三浦一紀

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