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頭の悪いメカ by 藤原麻里菜

スマートにフリスクが出せる「フリスク銃」を作ってみた

人前でフリスクを食べようとすると「1個ちょうだい」と、言われることありますよね。器が大きい私は、もう何個でもどうぞどうぞという感じなのですが、

……フリスクの受け渡し風景って、ダサくないですか?
大の大人がチビチビ一粒を分け合っているんだよ、もっと豪快に生きろよ。という心の声が聞こえてきます。そういう病気ではないと思います。

せっかく、器のデカさをアピールできるのに、客観的に見てダサいというのは、本末転倒ではありませんか。なので、今回は、「カッコよくフリスクを配れるマシーン」を作りたいと思います。

「そもそも、カッコいいって何だろう」と、考えた時、1万人中1万人が、「腕に装着するタイプの銃」に落ち着きますよね。スパイ映画やアメコミなどで暗殺者がよく装着しているあの銃です。

そう、銃弾の代わりにフリスクを発射できるようにしたら、めちゃクールなプロダクトになるのではないでしょうか。ということで、こんな構想になりました。

頭の中では完全にイメージできているのに、絵にすると全く訳がわからないですね。鋭利なのり巻きではなくて、めちゃくちゃカッコイイ銃を作りたいんです。私は。

カッコいいフリスク銃を作ろう

まずは、中身を作っていきます。フリスクを噴射する仕組みとしては、DCモーターにタイヤをつけたものを2個並べて、その間にフリスクを通すことで勢いがついて飛ぶというイメージです。

外箱の素材は、加工がしやすいで私の中でおなじみのMDF板をレーザーカッターで切り出しました。モーターを固定するための穴もここで空けておきます。また、フリスクがスムーズに噴射されるように傾斜をつけたいので、その部分はアクリルで切り出します。「なんかアクリルのほうが滑りやすい感じがする」という力学とか物理とか全く分かっていない発想からです。

レーザーカッターのデータはこんな感じで作りました。ご存じの方も多いかと思いますが、箱型の物をつくるときは、Box Designerというサイトがとても便利です。長さと板の厚みを入力するだけで、瞬時にカットデータを作ってくれるのです。開発者にマジ感謝。

切り出した素材を組み立てると、こんな感じになりました。かっこよさを追求したいので、粘着テープのついたゴムシートを周りに張っています。

それでも、まだカッコよさが足りない……。さっきの構想図では全く伝わらなかったと思いますが、イメージ的には、西洋のアーマー感を出したいのです。

なので、真ちゅう板をバンドソーで切り、グラインダーで成型したものを、バイスで挟んで力づくで曲げていきます。

それを、3つ重ねると……。

はい、かっこいい。

本体と組み合わせました。これを、手に装着します。

ついに装着!

装着してみると、自然とこんなポーズを取ってしまいます。これだと、ただのバカにしか見えませんよね。

でも、色味を落とすと不思議とカッコよく見えます。

フォトショで加工してみたら、完全にヒーローになりました。ちなみに、背景は熱海です。何がライジングなんだろう。

対岸に隠れながら、「フリスクちょうだい 」と言ってくる人にもスマートに配ることができます。そんな状況に今までで一度も陥ったことはありませんが、とにかく配れるんです。

「カッコよさが増すから」という理由で黒い手袋をつけてみました。100円ショップで売っていた袖が花柄のオシャレ主婦向けの黒いゴム手袋の花柄部分を切り落としました。ごめんな、花柄部分。

ちなみに、真ちゅうがめちゃくちゃ重いので、筋力がゼロの私には長時間の使用はキツい。なんで、真ちゅうを使ったんだろうと、早くも後悔し始めました。

フリスクを分け与えてみよう

早速、フリスクが欲しそうな人が現れたみたいです。

「フリスク1個ちょうだい」

「1個と言わず、何個でもくれてやるよ」

ブイーン……。

動体視力が並外れた者だけが、フリスクを手にすることができるのだ。

よく取れたな。

あばよ。

クールかつ豪快にフリスクを配ることができました。

ちなみに、「滑りやすくなりそう」という理由で使ったアクリルですが、全く滑りませんでした。なので、手で無理やり押し出すという結果に。いやでも、頑張っている女の子の姿が一番すてきって、誰かが言ってたし……。

おわりに

この撮影は、オシャレタウン中目黒で行いました。途中で、スケボーを持った青年が通ったのですが、何の反応もされませんでした。驚くでもなく、けげんな目をするわけでもなく、「無」でした。……これは、中目黒の街にマシーンがなじんでいるということに違いない。

皆さんも、中目黒に行く際はこのマシーンを装着してみましょう! きっと、中目黒のショップ店員から「無」を感じられると思います。

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