頭の悪いメカ by 藤原麻里菜
【優しい人へ】怒ると勝手にひっくり返るちゃぶ台を作った
みなさん、最近怒っていますか?
平成生まれのザ・ゆとりど真ん中を生きてきた私は、怒ることも怒られることも大の苦手です。喜怒哀楽の中で一番パワーを使う感情であるし、怒った後の空気などを考えると、たとえどんなにムカついてもその場はヘラヘラしてしまうことが多いです。
年下にいきなりタメ口をつかわれてもヘラヘラ。初対面の人に「犯罪者の目をしている」と言われてもヘラヘラ……。まあ、陰でめちゃくちゃそいつらの悪口をいうんですけどね。しかし、そんなことを続けていては全くダメだと思っています。
太宰治の「怒る時に怒らなければ、人間の甲斐がありません」という言葉の通り、怒る時には怒らなければなりません。時に昭和の頑固親父のようにちゃぶ台をひっくり返して、怒鳴るべきなのです。…いや、でもやっぱり怒れない。怒っている自分自身が滑稽に見えてくるし、怒りがヒートアップするにつれて、自分が何を言っているのか分からなくなるのも嫌だ。怒りにパワーを使いたくない。でも、どうにか怒っていることを相手に知らしめたい。怒りたいのに怒れない…。
なので、怒ったら勝手にひっくり返るちゃぶ台を制作します。
作ります
こちらが設計図。怒りを何で検知させるか、ということが課題です。怒りを検知する方法を調べてみたところ、MITのページとかしか出て来なかったので「ちょっともう…」という気持ちになりました。正確に感情を検知することは難しいので諦めて、心拍数の上昇を怒りとすることにします。それぞれ意見はあると思いますが、みんなこの妥協点で納得してください…。
心拍センサーとモーターを何かしらで繫げて、心拍数が上昇するとモーターが回転し、ちゃぶ台がひっくり返る仕組みを考えています。考えているだけで、具体的なことはこの段階ではサッパリです。
モーターは、トルクの高いギヤードモーターを使用します。しかし、木でできたモノホンのちゃぶ台は重さ的にモーターが回らない可能性が高いです。なので、発泡スチロールで代替のものを制作しました。東急ハンズで購入した発泡スチロールをパーツごとに切り分け、茶色に塗装していきます。家が文化祭の前日みたいになって楽しかったので、定期的に行いたいと思いました。
そして、仕組みを作っていきます。スイッチサイエンスで購入した心拍センサーをArduinoに繫げます。ひとまず、サンプルコードをダウンロードして動かしてみました。センサーを扱うのは初めてだったのですが、手順通りに繫げるだけで簡単に心拍数を検知することができました。
サンプルコードを改変して、設定値以上の心拍数になったらモーターが回るプログラムを作ろうとしたのですが、ギヤードモーターをArduinoに繫げて動かす術を知りませんでした。
私も全く詳しくないのですが、一言でモーターと言っても種類がいくつかあります。ギヤードモーターはギヤを使って回転数を低くできるモーター。それとは別に、サーボモーターというプログラムで角度を調整できるモーターがあります。個人的に、Arduinoではサーボモーターが簡単で、ギヤードモーターは、どうやって動かせばいいのかよく分からないのです。以上、言い訳でした。
ということで、心拍数が上昇するとサーボモーターが動き、ギヤードモーターが導電して回転するという、ピタゴラスイッチのような仕組みを作りました。新たに勉強するということを放棄した結果です。
もう、自分でも訳がわかりませんが、とりあえず完成したものを見てくれ。
「怒ると勝手にひっくり返るちゃぶ台」完成
こちらが、怒ると勝手にひっくり返るちゃぶ台です。
Arduinoとギヤードモーターのバッテリーを無理やり結束バントでつけました。工作には強引さが大事なのです。
それでは、心拍センサーを親指に当てて使用したいと思います。
デモということで、何もないのに心拍数を上げなくてはいけません。怒りパワーを全開にしていきます。
4年前にバイトしていた居酒屋、定休日に私以外の従業員でスポッチャに行って、楽しそうな画像をFacebookにアップしていたな。
お金がなさすぎて、意を決してバニーガールの格好をするガールズバーの面接に行ったら、「君は向いてないと思う」って帰らされたの、未だに納得がいっていないな。
小学校の同窓会のLINEグループに招待されたと思って喜んでいたら、3年前に出来たグループだったし、親友だと思っていた人の結婚を半年後に人づてで知るし保証期間が過ぎたあたりで物が壊れたし、50円玉が落ちていると思ったらワッシャーだった。
おわりに
これで、自分のパワーを使わずに怒りを表現することができました。全国の中々怒れない皆さん、ぜひ作ってみてくださいね。ちなみに発泡スチロールなので、ちゃぶ台としての実用性はありませんし、一回ひっくり返しただけでバラバラに壊れました。