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頭の悪いメカ by 藤原麻里菜

これで山を登らずに済む!「都会用やまびこマシーン」を作ってみた

ヤッホー! って叫びたくなるときありませんか? 私は、仕事が上手くいかなかったり飲み会での失敗を思い出して「ウワーッ」となったりしたとき、山に登ってヤッホーと叫びたい気持ちになります。でも、山に登るのは疲れるし、ここはコンクリートジャングル東京都荒川区。山なんてないぜ。

そういえば、「やまびこ」を経験したことがないなと思いました。山々に音が反響して、自分が叫んだ言葉が返ってくるやつ。自然の中で自然による現象を体験するのは気持ちよさそうだし、日頃のストレスを解消できそうですよね。

でも、マジで山に登りたくねえな。この気持ちはマジなんだよ。翌日、絶対筋肉痛になるじゃん。絶対ヤダもん。そうか、山に登らなくても都会でも、「やまびこ」を体験できるようになったら、便利なのではないだろうか。世界のために私の知識を全て使い、「都会用やまびこマシーン」を作ろうと思い立ちました。

おもちゃを改造してみよう

まず用意したのは、この人形です。あざらし。ぐうかわです。しかし、これはただの人形ではなく、話しかけると動きながら言葉を真似するハイテクおもちゃなのです。これを、

こうしました。

というのも、オウム返しの回路を自分で作るのはハードルが高かったので、こうやって既製品に頼ろうと思ったからです。「自分で作れ」や「その人形を作った人に申し訳ないと思わないのか」というお叱りはもっともです……。しかし、こういう既製品を分解して回路をイジる行為は、電子工作の第一歩なので、大目に見てください。

あざらしはぐうかわだったので、縫って人形にしました。残す所のない魚のようだ。ちなみに、この状態でスイッチをオンにすると

これはこれで、なんかいい!

どんどん分解していきます。スピーカー、マイク、モーターへ、一つの小さな基板から配線が伸びていました。

これが、音に合わせて動くメカ部分です。下にDCモーターが入っており、歯車が動いて上下運動をする仕組みでした。大量生産の安いおもちゃなのに、すごく良くできています。ところどころ適当にテープで留めてあり、その雑さが逆に「人だ!」と思いました。

スピーカーと別にラインアウトを付けます。3.5mmステレオジャックを回路に無理やり入れ込みました。これによって、イヤホンで自分のやまびこ音を聞くことができます。近年、問題になっている騒音問題。やはり、やまびこがうるさいと隣近所から管理会社に苦情がきたら大変なので、都会のニーズに合わせた仕様とさせていただきます。

続いては、外箱をFusion360で3Dモデリングをして作ります。可愛いあざらしをあんなことにしてしまったので、ポップな山の形にしようと思っています。モデリングをやるようになり数カ月が経ちましたが、向上心がなさすぎて、「長方体」「円柱」といった簡単な物体しか作っていませんでした。今回は、山らしく曲線のあるものを作りたいので、これは至難の業(わざ)だぜ……と思いながら、とりあえず適当にやってみます。

スピーカー、ラインアウト、マイク、スイッチの穴を開けて完成です。うん……。大丈夫……なはず。うん……。そう思いながら、3Dプリンターで出力します。

頼む、3Dプリンター! なんかいい感じに出力してくれ!

出力されたものを組み立ててみたら、全く幅が合っていなかったので、泣く泣く削っています。こういうときは、超音波カッターが便利です。ABS樹脂を溶かしながら切れるので、すごく奇麗な切り口になるのです。でも、ざっくり大きく切るのが難しいので、結果的にニッパーでバッツンバッツン切りまくりました。

やっと穴にスピーカーやスイッチが入るようになったので、組み立てました。これで完成です。

「都会用やまびこマシーン」完成

「都会用やまびこマシーン」の完成です。真ん中のでかい丸がスピーカー。その下段左から、スピーカーとラインアウトを切り替えるスイッチ、ラインアウト、ボリュームを付けようと思ったけど付けられなかったしツマミのサイズが全然合わなかったからそのままにしたやつ、マイクです。

私は全くデザインセンスがないのですが、ラピュタの巨人兵のようなビジュアルになり驚愕しております。通りすがりのfabcross編集部の方に見せたら「……これを山と言い切るつもりですか?」と言われて、心が折れました。

それでも、機能には問題ありません。なので、早速やまびこを体験してみましょう。

「ヤッホー」

「ギャッピー」

ボイスチェンジャーが組み込まれているのか、ものすごく変な声になってしまっていますが、やまびこってこういうものですもんね。あと、山が動くのは気持ち悪いですね。

登山を諦め、街へ出よう

街へ出てきました。作られた自然しかないこの街で、やまびこを体験できるのは、この私だけです。ブランコに乗り「好きだー」と叫ぶ爽やかな福士蒼汰も、このマシーンがあれば、やまびこができたはず……。

こちらが、私が今自力で登れる一番高い場所です。これ以上は無理。ここで、やまびこをやってみます。

「ヤッホー」

((ヤッホー))

目をつむればそこは山。鳥の鳴き声が聞こえる。水道のとこにいる青いジャージのおっさんが水を飲む音も聞こえる。それらの音をかき消すかのように、ガリガリしたノイズまじりの「ヤッホー」。これが、やまびこ。これが、都会のやまびこなんだ。

私、東京で頑張るよ。

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