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頭の悪いメカ by 藤原麻里菜

ウワサ・エゴサいらず! ウワサされたらクシャミが出るデバイスを作った

「クシャミをすると誰かにウワサされている」なぜかずっと昔から信じられているこの迷信。子供のときはすっかり信じていて、クシャミをするたびに「悪口言われている……。絶対にサッカークラブの小林だ……」とビクビクしていました。大人になってからは、そんな迷信の存在は薄れていってしまいました。

しかし、ウワサをクシャミでお知らせされるということが実現できれば、めちゃくちゃ便利じゃないでしょうか。Apple WatchがLINEを通知してくれるように、クシャミがウワサを通知してくれる時代……。それこそが私たちが望んでいた未来ですよね。そうですよね。
完全にイノベーションを起こせるアイディアだと思ったので、実際に作ります。

「クシャミでウワサを知らせてくれるデバイス」を作る

まず、自分のウワサを検知する方法を考えました。本当は、全人類に小型マイクを付け、自分の名前が呼ばれたら反応する仕組みを作りたかったのだが、難しい。倫理的に。

しかし、よく考えてみると、今や給湯室やドトールでされるウワサ話よりも、インターネット上でされるウワサ話のほうが多いかもしれません。かくいう私もよくエゴサーチ(自分の名前を検索すること)をしますし、「藤原麻里菜って誰? 彼氏は?」という中身ゼロのまとめサイトが作られたこともありました。

インターネットの中でも、ウワサ話が飛び交う短文投稿サイトTwitter。今回は、Twitterで自分の名前が呟かれたら、クシャミをするという仕組みを作っていこうと思います。決して、インターネット全体で検索する技術が私に無かったわけではありません。

こちらが設計図です。Twitterで私の名前を含む投稿がされたら、コヨリの付いたモーターが回るというスマートなデバイスを考えました。

私はプログラミングの知識がゼロなので、「IFTTT」というウェブサービスと「MESH」というアプリを繫げて実現したいと思います。プログラミング以外の知識は全てあります。

まずは、IFTTTから設定していきます。IFTTTとは、プログラミング不要でウェブサービス同士を連携させることができる最高なやつです。仕事の効率化のために使っている方も多いのではないでしょうか。

「藤原麻里菜を含む新規ツイート」を検知したら、「MESHアプリにイベントを送信する」という設定をしました。

続いては、MESHの設定をしていきます。MESHとは、簡単に電子工作ができるデバイスです。四角いタグと呼ばれるハードウェアと専用のアプリを繫げることによって、様々な仕組みをプログラム不要で作ることができるのです。今回は、「IFTTTからイベントを受信したらモーターが動く」という設定にします。

MESHでモーターを回すために必要なのは、この灰色のGPIOタグ。

MESH本体の電源で回すこともできますが、スイッチサイエンスから発売されているモータードライバを使用し、外部電源を繫ぐことにしました。これによって、電力が足りなくなるということもありません。

上がモーター、真ん中がMESH、一番下が電池ボックスです。手のひらサイズに作ることができました。コンパクトなのでかさばることもなく、生活に自然と馴染みそうですね。馴染んだところで、クシャミが出るだけなのですが。

コヨリは、クリップに強力マグネットをつけたものでモーターと接着しました。すぐにコヨリを変えることができ、衛生的です。やっぱり衛生面にも気を使わないといけませんからね。

これで、完成です。固定するためにステンレスステーを付けたら、拷問器具みたいになってしまいましたが、完成です!

実際に使ってみる

実際に使ってみます。といっても、毎秒自分のウワサをされている訳がないので、今回は生配信をしてフォロワーにツイートするよう呼びかけることにしました。

生放送を開始したら、「なんだなんだ」と続々と人が集まって来ました。
放送中のコメントで「コヨリを鼻に入れている姿を晒して恥ずかしくないんですか」というものがありました。作っている最中はワクワクしており、完成して嬉しくなり、実際に試すというところで「これ、私がやらなきゃダメですかね」と思いました。誰か代わりにやってくれ。100円あげるから。

しかし、そんなことも言っていられません。自分に子供ができたころには、革命が起きてインターネットが全滅していますように。そう祈りながら、己を犠牲にします。

コヨリを鼻の中に入れて、待つこと数分……。

ハッ……。

耐えた。どんな逆境にも耐えずにすぐに逃げ出す私なのに、なぜここで忍耐力を発揮してしまった。ちゃんとマシーンが作動した喜びと、クシャミを耐えてしまった悔しさで感情がぐちゃぐちゃになりました。

ちなみにこのツイートで発動しました。なりません。
耐えてしまったので、もうしばらく待ってみることにします。今度は耐えずに、クシャミをするぞ。

TwitterとIFTTTの間にタイムラグが1分ほど。IFTTTとMESHの間に1~2分のタイムラグがあるので、実際は呼びかけに応じてくださった方が沢山呟いてくれていたのですが、反応が鈍いです。生放送にも慣れていないので、間を持たす小粋なお話をしようにも毎日家にいる生活をしているので、特に面白い話もなくどうしようかなと考え

ハッ……。

ックショーイ!

話の途中でも問答無用にマシーンが動きます。私はぼそぼそと話すくせに、クシャミの音がめちゃくちゃデカイので、視聴者にドン引きされました。

このツイートで発動しました。なんかごめん。

終わりに

これで、迷信だった「クシャミをすると誰かにウワサされている」をIoT技術によって真実に近づけることができました。ウワサされていることをいち早く知りたい方たちは、ぜひ作ってみてください。ちなみに、数時間後に鼻血が出ました。

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