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頭の悪いメカ by 藤原麻里菜

もう悲しまないで!「一人でもハートポーズができるマシーン」を作った

こんにちは、無駄なものを作っている藤原麻里菜です。クリスマスが近いですが、みなさんは恋人と過ごす予定が入っていますでしょうか。入っている方は、東京カレンダーとかを読んでてください。

写真を撮るとき、二人でハートマークを作るという定番のポーズがあります。みなさんも、どこかでこのポーズで写真を撮影したことがあるのではないでしょうか? 私も、きっと何かしらであるはずと思い返してみましたが、思い当たるところはありませんでした。いや、でも、多分、どこかであるとは思うんですけどね。何かしらでハートマークを作ってはいます。今は思い出せないですけど、あります。

このポーズは、幸せがあふれていてすてきだと思います。SNSでこういった写真を目にするとミュートしてしまいますが。

しかし、以前、いつも通り何も考えずにTwitterをしていたら、こんな写真を発見しました。

こんなに悲しい写真があるでしょうか。男性が片手でハートのポーズを作っているのに、女性はそれに応じていないこの写真。世界の悲しみが全て詰まっているような気がします。調べてみたら、男性は、ジャスティン・ウォンさんというe-Sportsの選手だそうです。いくらすごい人になっても、こんな悲しいことが起こるなんて。人生って厳しい。

そして、悲しみと同時に、「なんか、私も似たようなことがありそうだぞ……」という気持ちが湧いてきました。この心がギュッとするつらさや気まずさみたいなものが、私の人生には詰まりすぎている。

そこで、勝手ながら彼を救うマシーンを作ろうと思い立ちました。 

「一人でもハートポーズができるマシーン」を作る

「一人でもハートポーズができるマシーン」を作ります。とりあえず、設計図を書いてみました。書き途中なわけではないです。これが、設計図です。

“こちらが片手でハートを作ったら、それに反応してマネキンの手がハートになる”といった動作ができたらいいなーって考えています。“片手でハートを作った”をマシーンに認知させるためには、どうしたらいいんだろうかと考えたところ、「曲げセンサー」という、すてきすぎるセンサーに出会いました。

これが曲げセンサーです。薄いシート状になっていて、曲げると抵抗値が変わる仕組みです。これを使ってArduinoでサーボモーターを動かしてみます。

動いた。

こちらのブログを参考にしました。

雰囲気で電子工作をしている身としては、“センサー”と聞くと構えてしまうのですが、曲げセンサーは比較的に扱いやすく、それにいろいろと面白い使い方ができそうだなと感じました。みなさんも買った方がいいですし、クリスマスプレゼントにもぴったりだと思わなくもないです。

続いては手を作っていきます。ここに、めちゃくちゃ苦労しました。マネキンの手を切り落として関節を作ってみたりダンボールで作ってみたりなど、試行錯誤したのですが、上手くいかず……。

結局、ストローを使って骨格的なものを作ることにしました。「ストローハンド」などで検索すると、作り方が出てきます。ストローの曲げたい場所(関節部分)に切り欠きをいれ、ワイヤーを通して、てっぺんを固定。それを下から引っ張ると、上から順番に関節が曲がっていく仕組みを作ることができるのです。考えた人は天才ですね。

この手とサーボモーターを組み合わせます。曲げセンサーでサーボモーターを動かすと、ワイヤーが引っ張られ、指が折れ曲がるようになります。マウントなどは、CADで設計し、3Dプリンターで出力しました。

完成

完成しました。「一人でもハートポーズができるマシーン」です。

最後まで、手をどのようなデザインにするか悩んだのですが、時間もなかったので、手袋をかぶせることで妥協しました。本当は、プニプニするシリコンで成形したかった。手だけだとなんかアレなので、顔を付けました。

使ってみよう

完成したところで、使ってみましょう。愛を感じるスタンバイは完了です。あとは、指を曲げるだけだ……。いくぞ……。

ギュイン……。

ラブが、形になりました。

心置きなく、ハートマークを作ることができます。

愛があふれる街、横浜。そんな場所でも、他のカップルと遜色なくなじむことができました。

この幸せそうな表情を見てくれ。

終わりに

あのような悲しい出来事が起こらないように、このマシーンを普及させていきたいです。
愛は世界を救うのだ……。

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