新しいものづくりがわかるメディア

RSS


アーティストJohn Hathwayインタビュー

メーカーには絶対作れないワガママなプロダクトをつくる!

Ⅵ.「パーソナル・ファブリケーションブームなんて知りません。僕のものづくりは本能です!」

ーーーパーソナル・ファブリケーションのムーブメントが起こりつつありますが、この流れについて感じることはありますか?

「最近パーソナル・ファブリケーションというのがはやっているのは3Dプリンターの話題が盛り上がったここ最近なんとなく感じましたが、なんではやっているんですか?」

ーーー制作ツールの一般化がよく言われている理由でしょうか。例えば3Dプリンタや、Arduinoの普及などですね。それに最近はネットの恩恵で、3Dデータやプログラムのシェアもできますし、情報のオープン化もこの流れを後押ししていますね。

「僕のやっていることは、その流れと偶然一致しているだけなんですよ。もしかしたら、僕らは集団的にみんなそういう方向へ行く世代なのかもしれませんが。僕はもともと、欲しい物は自分でつくるということを子供の頃からずっとやってきました、12歳くらいの頃にスーパーファミコンをハンディ化したことが始まりです。スーパーファミコンが液晶テレビと合体していて、電池で動く。それが僕のものづくりの第一弾でした。恐らく、今の僕のガジェットづくりに対するノリも、20年前のそれと同じなんですよね。僕にとってものづくりは本能です。実は、絵を描くことよりもハードウェア作品づくりのほうが好きなんですよ(笑)。

でも、そんなにパーソナル・ファブリケーションが簡単になったのであれば、今の若い人がうらやましいです。例えば、Arduinoはソースをネットで簡単に拾ってこれますし。一からマイコンを学んだ僕からすると、Arduinoには嫉妬してしまいます(笑)。もっと若いころにあれば、絶対にやってましたけど」

ーーーものづくりに対する、その本能的なこだわりの根源はなんだと思いますか?

「物心ついた時にあった感じでした。ただ、こだわりを貫き通すことこそ、良いものを生み出すために不可欠な要素なんじゃないかなと思っているので、心の奥底で感じる本質的なこだわりでは、絶対に妥協しないと決めています」

本当に表現したい作品や欲しい物を自分でつくることの喜びを知ると、パーソナル・ファブリケーションは一生やめることのできない、人生にとって最も素晴らしい楽しみのひとつ、あるいは人生の目的そのものにすらなるのかもしれない。John Hathway の、ものづくりにかける熱い思いを聞いているとそう感じずにはいられなかった。やっぱり、一生懸命な人は、カッコいい!

そんなJH科学は現在、次なるプロダクトの開発に取り組んでいるとのこと。なんでも「真空管ヘッドフォンより革命的!」な発明らしい。きっと次の作品でも、彼は僕らをワクワクする超科学の世界に巻き込んでくれるはずだ。

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る