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スペースビジョンインタビュー

たった2秒で何でも3D化! 社会を変える世界最小・最軽量・最速スキャナ

パーソナルユースも可能にするキーワードは、 “ヒューマンメトリクス”

ヒューマンメトリクスサービスの概念図。3次元情報をPCという空間の中に取り込むことで実現できることは大きく広がる。社名を“スペース”ビジョンとした由来だ。 ヒューマンメトリクスサービスの概念図。3次元情報をPCという空間の中に取り込むことで実現できることは大きく広がる。社名を“スペース”ビジョンとした由来だ。

——スペースビジョンの製品やサービスは今後どのように進化していくのでしょうか? その構想やパーソナルファブリケーションとの接点についてもお聞かせください。 

構想は膨らむばかりです。たとえばセキュリティ分野であれば、バイオメトリクスによる“個人認証”。警察でも犯人を防犯カメラで追跡・発見し摘発するケースが増えつつありますが、これまでは正面を向いていないと特定できない2Dの世界でした。3Dカメラで犯人を捉えれば、顔が正確に分からなくても計測したデータで照合もできます。つまり、変装や整形をしたとしてもバレてしまうわけです。

医療分野では、たとえば人工乳房を製作しているメーカーとの連携です。正常な片方の乳房を3D計測して“鏡像”をつくれば簡単に完成しますし、患者さんにも喜んでもらえるはずです。義足も同じことで、事故や紛争で足を失った人の残された足を型取らなくても、精巧な義足を製作できます。プランは色々ありますが、応用できる分野や業界はどんどん増えていくでしょう。

スキャナの中枢部、3Dカメラ。レーザー光の光源部分の生産を精密部品メーカーと協力してコストの圧縮に成功。さらなる低価格化を進め、販売代理店となる株式会社野村総合研究所と協力して需要を伸ばしていくという。 スキャナの中枢部、3Dカメラ。レーザー光の光源部分の生産を精密部品メーカーと協力してコストの圧縮に成功。さらなる低価格化を進め、販売代理店となる株式会社野村総合研究所と協力して需要を伸ばしていくという。

私たちが実現したいことは、画期的な3D製品の開発や拡販に留まりません。最終的な目標は、3Dデータを活用しやすい“仕組み作り”なのです。ヒューマンメトリクスサービス”と呼んでいるもので、ストックした人体の形状に関する種々のデータをオンデマンドで活用できる、3D体形クラウドサービスを意味します。

お客様が欲しい服をその場でデザインする、売りたい化粧品でシミュレーションする、フィットネスクラブでダイエットに成功した後の姿を見せる、ロールプレイングゲームの中に本人を登場させる……。さまざまなシーンに応用できる環境を整え、ビジネスとして3年以内に軌道に乗せたい。そう考えています。

渋谷にあるオフィスで今後を熱く語る佐藤氏。現在のスタッフは総勢10名。研究開発を進めるエンジニアの中には、研究者時代の教え子や現役大学院生もいる。 渋谷にあるオフィスで今後を熱く語る佐藤氏。現在のスタッフは総勢10名。研究開発を進めるエンジニアの中には、研究者時代の教え子や現役大学院生もいる。

このサービスは企業だけを対象に想定したものではなく、パーソナルデザイン(シューズ、メガネ、自動車、住宅、家具など)として個人向けサービスの展開も念頭に置いています。

そういう意味では、パーソナルファブリケーションに挑むエンジニアの皆さんともシナジーを起こしやすい。オープンソース化できるようになれば、接点はさらに増えるはずです。

「コラボレーションしませんか?」とぜひ声を掛けてもらいたいですね。いま3Dプリンタが盛り上がりを見せていますが、3Dスキャナマーケットの牽引役になってくれればとてもありがたいことです。

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