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TRYBOTS 近藤那央インタビュー

女子高生もOLも、みんながロボットと暮らす社会を目指して——TRYBOTSが拓く未来

ロボットをもっとカジュアルに、もっとポップな存在にしていきたい

ロボットを楽しそうに作ったり伝えたりする存在になりたいと語る近藤氏。目指すは「ロボットが分かる楽しそうなお姉さん」だという。 ロボットを楽しそうに作ったり伝えたりする存在になりたいと語る近藤氏。目指すは「ロボットが分かる楽しそうなお姉さん」だという。

ロボットに興味をもっている人は周囲の大学生でも少ないのが現状だという。誰もがロボットへの興味や意識をもつためには、高い処理能力をもった高性能なロボットよりも、機能に応じた単純なロボットが身近に複数存在する、ロボットの数そのものを増やすことが必要だと語る。

「外国人が多い街の人は外国人に対して寛容なように、ロボットの存在と絶対数が必要だと思います。普段から目にするくらいにロボットの数があれば、ロボットに寛容になったり、自分でもロボットを作りたいと思う人が増えてくるはず。そうでないと、今のまま技術だけが進歩しても社会全体のロボットへの理解は進みません。単純なものでもいいから、誰もが当たり前にロボットを知っていたり触れたりできる社会になるために、何ができるのかを考えていきたいです」

ロボットを作ったり関わったりしているのが一部の人だけ、という印象から脱却するために、ロボットをもっとカジュアルに、もっとポップなものにしていき、いずれは原宿にいる女子高生や、普通のOLたちが当たり前にロボットをもっているようにしたいという。

「常に考えるべきは、誰にロボットを使ってほしいのかということ。女子高生たちや、100万人以上の人たちに当たり前に使ってもらえるロボットを作ってみたいです」 

誰もがロボットを携帯する社会を目指して

原宿の女子高生でも当たり前にロボットを携帯したり、自分用にカスタマイズするくらいのハードルの低いロボットを作っていきたいと語る。 原宿の女子高生でも当たり前にロボットを携帯したり、自分用にカスタマイズするくらいのハードルの低いロボットを作っていきたいと語る。

人とロボットとの新しい関係を見出す始めの一歩でもあったもるペン!。次は、人間の後ろを歩いてまわるような、愛らしいロボットを作るのが目標だ。完成した暁には、平然とセンター街を歩き、街の人たちにそのロボットをかわいいと思ってもらえたり、欲しいと思ってもらえるようなものにしたいという。ロボットの印象をポップでかわいいものに変え、ロボットの存在価値を誰もが認めるようなものにしていきたいと語る。

ファッションや雑貨に目を向けると、自分で洋服を自分用にカスタマイズしたりDIYで小物を作ることが広がってきているように、街中で誰もが携帯したり、自身で作ったり修理できるようになってほしいと話す。

「ロボットというと難しいものと捉えがちですが、気温でちょっと色が変化したり今日の天気を教えてくれたりする機能は、今あるものを工夫すればすぐに誰でも作れてしまうはずです。ロボットに対するハードルを下げて、誰もが自分の体の一部のように使うことができれば、普段の生活がもっと豊かになるのでは。誰もが手にすることができ、社会に当たり前にロボットが存在する、そんな社会になるようなアプローチをしていきたい」

誰もが携帯している機械といえば、iPhoneなどのスマートフォンが代表的だ。次世代のロボットのあるべき姿として、スマートフォンと同じくらい誰もが携帯し、普段のコミュニケーションの一部として使うようになることが一つの形かもしれないと語る。

「今のスマートフォンに搭載されている音声アシスタントは、どこか機械的な印象でコミュニケーションというよりも信号を送りあっているだけ。それよりも、※『AIBO』のほうが言葉に対して反応したり動作したりと、コミュニケーションしている感覚があります。アニメ『マクロスF』に登場するバイオセルラー(生物的な携帯電話)のオオサンショウウオさんのような、ロボットと携帯電話がシームレスになる時代がくるかもしれません」

 

脚注

※ AIBO かつてソニーが販売していたペットロボット

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