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鳥人間インタビュー

好奇心を原動力にした挑戦を−鳥人間のエンジニア夫婦が考えるハッカーライフ

部屋の片隅には小型のCNCも設置してあるなど、一般家庭の中にデジタルファブリケーションが溶け込んでいた。 部屋の片隅には小型のCNCも設置してあるなど、一般家庭の中にデジタルファブリケーションが溶け込んでいた。

ソフトウェアとハードウェアを融合させたアイデア

そんな二人が初期に作ったものは、Google Earthと自転車をつなぎ、Google Earth上で遊覧飛行を疑似体験できるというもの。ゆっくりこげば低く、速くこげば高く飛ぶ仕組みで、身体を通じて体験ができるソフトウェアとハードウェアを連動させた「SPACE BIKE」というサービスだ。郷田氏が、パソコンからセンサやアクチュエータを制御するモジュールのゲイナーとフィジカルコンピューティングを使った電子工作が面白そう、と考えたことが開発のきっかけだという。

「このSPACE BIKEで、初めてMaker Faire Tokyoに出展したんです。そうしたら、子どもたちにものすごく喜んでもらえた。そこから、一気にハードウェアの開発にはまっていきました」(郷田氏)

自作の棚には、電子部品を実装する小型のチップマウンターが設置してある。試作や少量生産程度であれば、自宅内ですべて開発が完結してしまう。 自作の棚には、電子部品を実装する小型のチップマウンターが設置してある。試作や少量生産程度であれば、自宅内ですべて開発が完結してしまう。

Arduinoを使った「飛行石」は、初めて自分たちでCADを使って開発したものだという。クラウドサーバーで計算した結果をAndroidでキャッシュし、GPSと無線で指示を出しながらレーザービームの方向調整を行う、ソフトウェアをベースにして宇宙ステーションの現在位置を示すというものだ。

「飛行石」を開けた様子。 「飛行石」を開けた様子。

この飛行石の開発は、もともと鳥人間が自社アプリとして開発していた、国際宇宙ステーション(ISS)の現在位置を表示するARアプリが元ネタになっている。

「ちょうどTwitterがはやりだした頃で、BOT(自動的にツイートを投稿するプログラム)を作れると知って、自分たちも何か面白いものを作れたらと思ったときに、人工衛星の位置で時刻が分かれば面白そう、と思って作ってみたのが 「ToriSat」 というサービスなんです。そうしたら、このサービスが面白いとNASAの方から連絡をもらったり、宇宙飛行士の山崎直子さんのご家族がスマホアプリ版の最初のユーザだったりと、アプリをきっかけにいろいろな人たちとやりとりをさせてもらいました」(久川氏) 

「ToriSat」のアプリを立ち上げて人工衛星の場所を確認。いまでは数万を超える人たちに使われているアプリだという。 「ToriSat」のアプリを立ち上げて人工衛星の場所を確認。いまでは数万を超える人たちに使われているアプリだという。

週末に遊んで作ってみたものが、有料のアプリながらいまや数万人以上に使われたり、実験で作ったものが製品化へと結びついたりすることによって、日々の収入源の一つになっている。

「スマートフォンのアプリやWebサービスだけだとコピーされやすいですが、ハードウェアはまねされにくく、またオリジナリティも発揮できます。アイデアと技術の組み合わせで無数の可能性があると思います」(郷田氏) 

最近開発したプレート。プレートの中にARMマイコンを仕込み、スマホ連携できる「iBeacon」を使って、一定の重さになったら通知するものだ。居酒屋など、さまざまなシーンで利用できるかもと模索している。 最近開発したプレート。プレートの中にARMマイコンを仕込み、スマホ連携できる「iBeacon」を使って、一定の重さになったら通知するものだ。居酒屋など、さまざまなシーンで利用できるかもと模索している。

自分たちが面白いと思ったものを作ることが楽しいと語る二人。最近開発した、しょうゆ差しのプレートは、ある一定の重さになると中身の補充の時期をアラートで教えてくれる。身近なちょっとした問題をソフトウェアとハードウェアを連携させて解決できる楽しさを見出しているという。

こうしたいくつもの開発のアイデアは、ランチのときや普段のちょっとした会話がヒントになることが多いそうだ。肩肘を張らず、自然体で生活していくなかで感じた、疑問やちょっとした課題を、少しずつ良くしていくことを心がけているのだ。

「いろんなことに取り組んでいくために、あえて二人のスキルが被らないようにしています。そうすることで、互いに補いながら一緒にできることの幅が広がることが楽しい。電子基板、組み込み開発、3D設計、アプリ、サーバ、それぞれが得意な部分を組み合わせれば、IoTに関連したプロトタイプは作れちゃうんです。自分たちでなんでも作れるようになることで、いろんなアイデアが浮かびやすくなります。普段の生活の中での問題を意識し、そうした問題に楽しみながら取り組んで新しいものを作ることの楽しさがあると考えています」(郷田氏)

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