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PLEN Project 赤澤夏郎インタビュー

ロボットが相棒になる日は予想以上に早い?! 人型ロボット「PLEN2」が切り拓く可能性

 「人間のパートナーとしてロボットがいつも隣にいる」、そんな夢のような未来は予想以上に早く実現するかもしれない。今年に入って相次いだロボットに関するニュース——DMM.comのロボット関連事業参入や、AIを備えたロボット「Pepper」の出現——に胸躍らせた方も多いだろう。劇的な進化を遂げる日本のロボット業界だが、その渦中で実際にロボットを作っている人たちは、時代の流れをどのように感じながらロボットに向き合っているのだろうか。パーソナルロボット開発が今日のように盛り上がる前からユニークなヒューマノイド・ロボットを発表し、ロボットを使った教育活動にも積極的に取り組むPLEN Project(プレンプロジェクト)の代表取締役、赤澤夏郎氏にお話を伺った。 (聞き手:金とよ、越智岳人 文・構成:金とよ 撮影:越智岳人)

世界初!オープンソースでプリンタブルなロボット

PLEN Projectが今年発表した小型の二足歩行ロボット「PLEN2」。その大きな特徴は、サーボモーターや制御ボードを除くほとんどの主要部品が3Dプリンタを使って自作できるようになっており、ネジもほとんど使わず組み立てられること。さらに、ソースコードや3Dデータがすべて無償で公開されるオープンソースであるということ。このように、ユーザーが自由に改良を加えられるロボットは世界にも類を見ないことから、国境を越えて注目を集めることになる。そこで、日本の 「kibidango」と米国の「Kickstarter」という2社のクラウドファンディングサイトで資金募集を始めたところ、目標額を大きく上回る支援金が集まった。

初めて対面したPLEN2は、高さ20cm、重さ600gと思った以上に小柄。とはいえ、18個の関節(サーボモーター)を持つこのロボットは、人間さながらの表情豊かな動きが得意だ。ローラースケートやスケボーなど高いバランスが求められる動きも簡単にこなす。

「動きについては僕たちが一番得意とするところで、長年工夫してきました。せっかくですから、今アプリをダウンロードして動かしてみて下さい」(赤澤氏)

言われるままにiPhoneで「PLENConnect」というアプリをダウンロードして起動してみた。おもむろにボタンの一つをタップしてみると…… 目の前のPLEN2が深々と頭を下げてお辞儀をした! コミカルな動きが、かなりカワイイ。  

PCやスマホからBluetoothを使って、無線でPLEN2を操作することができる。アプリのUIはいたってシンプル。また、ユーザーのためのコミュニティサイトではMotion Editorを公開しており、誰でもロボットの動作を簡単に作成することが可能だ。 PCやスマホからBluetoothを使って、無線でPLEN2を操作することができる。アプリのUIはいたってシンプル。また、ユーザーのためのコミュニティサイトではMotion Editorを公開しており、誰でもロボットの動作を簡単に作成することが可能だ。

軽快な動きの秘密は?

——2006年に発売した初代モデルのPLENと比べて、PLEN2の進化した部分はどんなところですか?

「PLENは金属で骨組みを作り、その上に外装パーツを貼り付けていましたが、PLEN2では金属パーツを使わず全てプラスチックで作られています。ネジも極力使わず、はめ込み方式です。そうすることによって、軽量化、小型化が実現できました。他社でも外装パーツの3Dデータを公開している2足歩行ロボットはありますが、もともと金型用に設計したパーツをSTLデータで公開しているので、細かな動きは難しいでしょう。僕らは最初から3Dプリントを想定して部品を作っているので、そこそこのプリンタを使って組み立てたとしてもかなりスムーズに動きますよ」

踊ったり、物を運んだりとちょっとした動きがいちいちカワイイPLEN2。“親しみやすいロボットにすること”は、人間とロボットの共存を目指す同社の重要なテーマでもある。

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