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デジタル工作機メーカー訪問

ものづくりのハードルを限りなく低く——世界一の個人向けCNCを造るオリジナルマインド

諏訪湖の西岸に広がる工業都市、長野県岡谷市に本社を構えるオリジナルマインドは、個人でも手に入れやすい価格帯で高品質の卓上CNC切削加工機(以下、CNC)を、設計製造から販売まで手がける日本では希有なメーカーだ。創業者で代表取締役の中村一氏と、取締役開発部長の柴田昌典氏のお二人に、5色のカラーバリエーションやクラウドファンディングサイトでの先行販売で話題となった新製品「KitMill Qt100」開発の苦労、同社の今後の展開についてお話を伺った。(撮影:加藤甫)

誰もやっていない個人向けCNC製品を独自開発

オリジナルマインドは1997年に創業した。「ものづくりの楽しさと夢を提供します」という理念を掲げ、メカトロニクス関連の部品や製品の中古販売、組み立てキットの開発製造販売事業を、創業後の数年間は中村氏が一人で行ってきたという。その同社が注力しているCNCの原点は、2003年9月に発売したCNC組み立てキット「mini-CNC BLACK 1510」にある。もちろん中村氏が一人だけで作り上げた製品だ。

「当初はプリント基板を作るための基板加工機の開発をしていたのですが、実験している最中にこれならアルミも削れるということが分かって、その時点で基板加工機ではなくmini-CNCという名前にしちゃったんです」(中村氏) 

「mini-CNC BLACK 1510」 「mini-CNC BLACK 1510」

だが当時CNCといえば産業用の大型機がほとんどで、個人でも手に入る価格のパーソナルな製品はなく、中村氏も「誰もやっていなくて不安だった」という。mini-CNC BLACK 1510は9万8000円という低価格で他社のCNCよりもずっと安かったが、だからといって最初から売れたわけではなかった。ところがあるとき突然売り上げが伸び始める。驚いて調べてみると、二足歩行ロボット格闘競技会「ROBO-ONE」に自作ロボットで参戦しているホビーユーザーが、部品加工用にmini-CNC BLACK 1510を購入してブログで詳しく紹介したことがきっかけだった。大手メーカーの比較的安価な製品は付属ソフトのユーザーインターフェースが優れていたが、オリジナルマインドの製品は、10万円を切る低価格と樹脂だけでなくアルミも削れる切削性能の高さでホビーユーザーの心をつかんだのだ。中村氏はmini-CNCを開発するに当たって、他社製品を参考にすることはなかったと話す。

オリジナルマインド代表取締役の中村一氏。創業後の数年は設計開発から商品の発送まで1人でこなしていたという。 オリジナルマインド代表取締役の中村一氏。創業後の数年は設計開発から商品の発送まで1人でこなしていたという。

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