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アナログ家電マイスター松崎順一インタビュー

ラジカセ愛にあふれた珠玉の逸品、松崎順一氏プロデュース「my way」 今、求められる最新アナログ家電とは?

家電蒐集家にしてアナログ家電の魅力を伝えるデザインアンダーグラウンドを主宰する松崎順一氏が、新たな家電メーカーの設立に向けて最初の一歩を踏み出した。第1弾となる自社ブランドは「My Way」。「未来のラジカセ」のキャッチコピーがついたこの商品は、クラウドファンディングMakuakeに登場し、3日半で目標金額の200万円に到達した。松崎氏の夢が詰まったラジカセは、どうやって生まれたのか? スタートアップの背景を語ってもらった。(撮影:加藤甫)

夢の実現に動き出す

松崎氏がプロデュースしたMy Wayのモックアップ。アナログ家電の新しい時代を切り開くか? 松崎氏がプロデュースしたMy Wayのモックアップ。アナログ家電の新しい時代を切り開くか?

独立して家電蒐集家としての日々を過ごしながら、家電メーカーを起こし、自社ブランドを立ち上げるのは夢だったという。2010年頃から、カセットテープやラジカセなどの復活機運が盛り上がり、市場の条件が整ってきたのを感じる。そうした中で、今回、チームを組むスタッフと巡り会った。

「ある雑誌の取材で熊谷朋哉氏と知り合いました。熊谷氏は広告の仕事をしていて、音楽業界に顔が広い人です。いろいろなラジカセ話をするうちに盛り上がってしまって、『これはもう作るしかない』と。そこに元パナソニックの工業デザイナーだった稲田氏が加わり、『チーム松崎』ができました。僕が50代、熊谷さんが40代、稲田さんが30代でうまくバランスのとれたチームです。各世代の考えが分かって、お互いが刺激し合う感じでしょうか」

「やっと長年の夢がかなえられそうです」。笑顔で語る松崎氏。 「やっと長年の夢がかなえられそうです」。笑顔で語る松崎氏。

中国の「Great Wall※」は厚かった

生産ロットはクラウドファンディング後の一般発売も見据えて約2000。製品開発に向けてスタートしたものの、ラジカセ自体のメカニズムを供給する会社は国内になかった。行くつく先はやはり中国。しかし、そこにはさまざまな壁があった。

「初めは本当に苦労しました。例えば、中国のAlibabaで『ラジカセ』って打ちこむと、いろいろな会社がバ〜っと並びます。そういう会社に『こういうラジカセが作れないか』って聞くと、たいていは『いや、もうやってない』と」

そんなことをくり返し、やっと見つけた数社にサンプルを作ってもらった。

「どれも『うわ、これ最悪!』っていう感じでした。スイッチがふにゃふにゃで接触も不良だったり、ボタンを押してもバキッと折れちゃったりとか。カセットの再生をしてもワウフラッター※がひどくてまともに動かない。『このまま量産したら大変なことになる』と思いました。今回作る2000台って中国のロットとしてはミニマム以下で仕事にならないくらい小さな数です。そのため、途中まで話が進んでも『やっぱり面倒くさいからやめた』って断られたこともありました」

「中国の会社との交渉はたいへんでした」。厳しい体験を思い出し、苦虫を噛みつぶしたような表情の松崎氏。 「中国の会社との交渉はたいへんでした」。厳しい体験を思い出し、苦虫を噛みつぶしたような表情の松崎氏。

※Great Wall:中国の有名な「万里の長城」は英語で「The Great Wall of China」という。

※ワウフラッター:ラジカセなどの録音再生装置の回転部のムラによって発生する周波数変化のこと。

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