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PLENGoer Roboticsインタビュー

エキスパートにしてスタートアップ——PLENGoer Roboticsが仕掛けるキューブロボ「PLEN CUBE」

大規模EMSとスタートアップの日中合同チーム

筆者が2015年の夏ごろに取材したとき、プレンプロジェクトは社員4人と学生の開発アルバイトが7〜8人という体制でPLENを開発していた。居酒屋とカレー屋に挟まれた小さなオフィスの2階ではたくさんの3Dプリンタが常にパーツを造形していたことを今でも覚えている。

2015年夏に取材したPLENの開発現場(現在は移転) 2015年夏に取材したPLENの開発現場(現在は移転)

現在はGoerTekグループが入居するオフィスを拠点に、社員、アルバイト合わせて20人体制になった。英語、中国語に堪能な社員も採用でき、海外とのやりとりも劇的にスムーズになったという。

2017年現在のオフィスでの様子。バイリンガルのスタッフも在籍し、中国GoerTekとのやりとりも劇的にスムーズになった。 2017年現在のオフィスでの様子。バイリンガルのスタッフも在籍し、中国GoerTekとのやりとりも劇的にスムーズになった。

パートナーであるGoerTekは欧米/アジアに34拠点、従業員は3万人を超える巨大企業だ。受託開発と自社開発という立ち位置も異なれば、生産計画やプロセス、ものづくりに対する発想も全く違う。

「ソニーやAppleといった大企業の量産を担うEMSなので、我々には無い万単位の量産経験と知見が豊富です。試作だけでも一気に数百を作るような世界なので、すりあわせに苦労する点はあります」

大企業からの受託製造であれば1年以上前から生産計画があり、仕様書も担当者に行きわたっているのが常だ。小さなサイクルで開発と改善を積み重ね、ギリギリまで粘るスタートアップの量産とは時間軸も思考も異なるが、乗り越えた先にある成果は大きいと赤澤さんは確信している。

「GoerTekからすれば『量産まで、もう1年しかない』だけど、我々からすれば『まだ1年もある』といった感じだし、言われた通りにきっちり作る会社なので『あなたのアイデアを聞かせてほしい』と振ると固まる(笑)。GoerTekは光学機器や音響に強みがあり、VRやドローンなど新しい分野への投資へも積極的で私たちには無いものがたくさんある。互いにPLEN CUBEの量産を乗り越えた頃には何でも作れるチームになっていると思う」

CESを経てKickstarterへ

2017年1月にはCESに出展。試作品の展示ではあったものの、ポジティブな反応が得られた。

「来場者の多くはバイヤーで、すぐに販売できるものを探しているので、試作品であることにハンデを感じましたが、屋外で使える点や若者にウケそうというコメントが多かったですね。来月にはKickstarterでキャンペーンを始めると言うと、製品化が近いと思うのか、連絡先を知りたいと名刺を欲しがるのが意外でした」(PLENGoer Robotics COO 富田敦彦さん)

PLEN CUBEは2017年2月ごろにはKickstarterでのキャンペーンを開始し、同年夏ごろに一般発売を予定している。まずはKickstarterで感度の高いユーザーからの意見を参考にしながら、製品版に反映していきたい考えだ。

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