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超人スポーツ協会インタビュー

21世紀型のスポーツのあり方を模索する——「超人スポーツ協会」が目指すもの

超人スポーツの3元則

e-スポーツプロデューサーの犬飼博士氏 e-スポーツプロデューサーの犬飼博士氏

超人スポーツは、新しいスポーツ開発に取り組むために「すべての参加者がスポーツを楽しめる」「技術とともに進化し続けるスポーツ」「すべての観戦者がスポーツを楽しめる」という3原則を定めた。いつでもどこでも、誰もが楽しむことができる新たなスポーツを生み出すべく、人の身体能力を超える力を身につけ「人を超える」、あるいは年齢や障害などの身体差により生じる「人と人のバリアを超える」新たなスポーツを創造するという。

また、超人スポーツの実現に必要な技術開発、プレーヤーやコミュニティの育成のみならず、新たなスポーツのルールをデザインし、時代に対応した競技を生み出しながら「身体」「道具」「フィールド」「トレーニング」「プレーヤー層」「観戦」の拡張をもとにスポーツという分野そのものも拡張していくことを目的としている。

「身体を動かすことは、人にとって大事なことです。これまでスポーツに関係のなかった人、見向きもしなかった人たちに対してアプローチしていけたらと考えています」(野嶋氏) 「身体を動かすことは、人にとって大事なことです。これまでスポーツに関係のなかった人、見向きもしなかった人たちに対してアプローチしていけたらと考えています」(野嶋氏)

「人間の拡張をどうしていくか。その方法はさまざまです。極端な話、メガネも人の能力を拡張させている道具といえます。超人スポーツの目指すものは、常人では出せない力を引き出したり今の人間の能力を飛び越えたスポーツを考えたりすることだけではなく、『Sports for All』という考えのもとに誰もがスポーツを楽しむものにするという理念を持っています」(野嶋氏)

協会発足後、e-スポーツプロデューサーである犬飼氏が中心となり、新競技開発のハッカソンを実施してきた。キャリオットバブルジャンパー など、すでに競技として確立しつつあるスポーツも生まれてきている。

地域と連携した新スポーツ開発

そうした中、2016年10月のいわて国体開催に合わせ、岩手県と連携して「岩手発 超人スポーツ開発プロジェクト」が4月に発足。月1回程度のイベントを開催し、岩手の人たちと新種目を開発することとなった。

「最初は200人くらいのカンファレンスを行い、そこから3、40人程度のアイデアソン、ハッカソンをしながら、岩手ならではのスポーツを作り上げてきました」(犬飼氏)

参加者たちは地域の特色を出すために、宮沢賢治の出身地であることから『風の又三郎』などをモチーフにしたアイデアも。岩手にちなんだ大きな岩の手で互いに戦うスポーツや、ドローン同士で互いに網を使って捕まえ合うドローン鬼ごっこ(ドローンで行うサッカーのPK戦)のようなスポーツなども生まれた。

2016年9月24日、25日に行われた「岩手発・超人スポーツプロジェクト最終成果発表」では、4つの競技の体験会が行われ、ステージで観戦するだけでなく観覧者もプレイできる仕掛けを用意。新たなスポーツの種が育ち始めている。

超人スポーツゲームズでプレーヤー育成の場を

こうしたスポーツ開発だけでなく、協会主導の認定競技も募集している。認定されたスポーツは、超人スポーツの祭典「超人スポーツゲームズ」への出展権や競技普及の支援を超人スポーツ協会が行っていくという。

新たなスポーツ開発を通じ、新しい市場やスポーツ人口を増やす目的がある。 新たなスポーツ開発を通じ、新しい市場やスポーツ人口を増やす目的がある。

「これまで、体験会のような企画を行ってきました。それだけでなく競技会を実施して、2020年までに多くの新しいスポーツを集めていきたいと考えています。同時に、プレーヤーを育てることも念頭に置かなければいけません。超人スポーツゲームズを毎年実施していきながら、新スポーツ開発とプレーヤー育成の両方を進めていければ」(犬飼氏)

2016年11月23日には、第1回超人スポーツゲームズが開催され、200人以上もの観客と57名ものプレーヤーたちが切磋琢磨しながら、バブルジャンパーやキャリオット、Hover Crosseなどがプレイされた。こうした場から、新たな競技、新たなスター選手が生まれてくるのかもしれない。

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