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ソニー元エンジニア金子金次氏インタビュー

かつてソニーもスタートアップだった——当時を知るエンジニアが見たものづくり精神

定年後もソニーに貢献

定年後も個人的に多くの方にソニーの歴史を説明することで貢献してきた金子氏。
歴史イベントの展示コーナーでの紹介や歴代製品の整備依頼など、ソニーOBから相談を受けることも多い。
相談を受けた方からはいろいろなお話を伺えるそうで、とってもおき開発エピソードを聞かせてもらっては、それを若い者へ伝えている。
OBが亡くなった際に、本人が大切に保管していた遺品のソニー関係資料などを後世に伝えてほしいと、遺族から連絡をもらうことがあるそうだ。

たくさん集まった資料を金子氏はしっかりと保管している。資料のごく一部だが、紹介したい。

1961年の会社案内図。 1961年の会社案内図。
社内で配布している「ソニー NEWS」の創刊号。 社内で配布している「ソニー NEWS」の創刊号。
1979年に発行された社員向け「ソニー Family No.17」。キューバとの国交がまだ正常化していなかった時期に、キューバ政府の要請で国際会議場の映像設備を設計し、現地指導した時の訪問レポート。 1979年に発行された社員向け「ソニー Family No.17」。キューバとの国交がまだ正常化していなかった時期に、キューバ政府の要請で国際会議場の映像設備を設計し、現地指導した時の訪問レポート。
視聴覚教育の原点になったオートスライドの教材セット。左のスライドフィルムのコマに合わせたナレーションテープ(右)。コマごとの解説がテープと連動して投影できる仕組み。 視聴覚教育の原点になったオートスライドの教材セット。左のスライドフィルムのコマに合わせたナレーションテープ(右)。コマごとの解説がテープと連動して投影できる仕組み。
オートスライド用のSONI-TAPE(オープンリールテープ)。スライド写真がはっきりと見える。 オートスライド用のSONI-TAPE(オープンリールテープ)。スライド写真がはっきりと見える。
金子氏の転職のきっかけのひとつになった「S社の秘密」(新潮社、1962年刊。絶版)。 金子氏の転職のきっかけのひとつになった「S社の秘密」(新潮社、1962年刊。絶版)。
基板は手作業によるはんだ付けで作られていたトランジスタラジオ。 基板は手作業によるはんだ付けで作られていたトランジスタラジオ。

——スタートアップや若い世代の会社に伝えたいことはありますか?

金子:今の会社は人と人に距離があるような気がします。
社員同士でもっと信頼関係を築いてほしい。創業20年目くらいのソニーはみんな家族のような関係で、みんなで会社を支え合っていた。叱咤激励はもちろんあったうえで、同じ会社の社員とは家族のように支え合ってほしいです。そして、未来のソニーのような会社になってくれれば嬉しいですね。

撮影協力:ソニー歴史資料館
東京都品川区北品川6-6-39
入場無料(完全予約制)

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