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「toio」プロジェクトリーダー田中章愛インタビュー

ソニーの研究と仕事後の雑談から生まれた「toio」——小さなキューブを通じてワクワクを子どもたちに伝えたい

Creative Loungeの設備で進んだプロトタイピング

仕事の後、ソニーコンピュータサイエンス研究所に集まって、アイデアを出し合っていた経験がSeed Acceleration Program(SAP)に生かされている 仕事の後、ソニーコンピュータサイエンス研究所に集まって、アイデアを出し合っていた経験がSeed Acceleration Program(SAP)に生かされている

ソニーが2014年4月から取り組む新規事業創出プログラムSeed Acceleration Program(SAP)で、toioは12番目の事業として商品化された。SAPは、オープンイノベーションをテーマに、既存の事業領域外の新しい事業アイデアを集め、育成することを目的としたソニーの新規事業プログラムだ。プロジェクトリーダーである田中氏はSAPの立ち上げ時の運営メンバーでもある。

刺激を受けながら楽しんだカリフォルニア州のものづくり。(写真提供:田中章愛氏) 刺激を受けながら楽しんだカリフォルニア州のものづくり。(写真提供:田中章愛氏)

田中氏は、2013年から2年間、スタンフォード大学訪問研究員として留学し、アメリカのカリフォルニア州で暮らした。「留学中は、現地のTechShopやFabLabでハードウェアのプロトタイピングやものづくりのスピード感に刺激を受けた。この時の体験や仕事の後にみんなでソニーコンピュータサイエンス研究所に集まって雑談しながらアイデアを出し合った経験がSAPの共創スペース『Creative Lounge』の立ち上げと企画運営に大きくつながっていった。Creative Loungeの設備もソニーコンピュータサイエンス研究所の設備が参考になっている」と田中氏は振り返る。

Creative Loungeの設備を利用して、もくもくと作業を進める。(写真提供:田中章愛氏) Creative Loungeの設備を利用して、もくもくと作業を進める。(写真提供:田中章愛氏)

田中氏が自ら企画運営に携わったCreative Loungeには、オシロスコープや3Dプリンター、レーザーカッター等、プロトタイピングレベルであればすぐに製作に取り掛かれる設備がある。ソニー社員はもちろんのこと、社員の紹介があれば、社外の人も利用できる共創の場で、たくさんの人が集まる交流の場所にもなっている。

「SAPから生まれたほかの商品もそうですが、toioも社内オーディション通過後の2016年6月から、最初の数カ月間はCreative Loungeを利用して、アイデア出しやいろいろとプロトタイピングしました。ちょっとしたアイデアをすぐに形にしたいとき、身近な場所に3Dプリンターやレーザーカッターがあるので、開発のスピードは圧倒的に速くなりました」(田中氏)

toioコア キューブのプロトタイピングはCreative Loungeの3Dプリンターを利用している。 toioコア キューブのプロトタイピングはCreative Loungeの3Dプリンターを利用している。

「工場にプロトタイプの製造をお願いすると、発注から納品までの手続きを含めるとどうしても時間がかかってしまいますが、ちょっとした試作はすぐに形にしたい。仕事後に限らず、業務の合間に、3Dプリンターを動かして、社内で効率良く動けるようになったのも魅力のひとつです」と田中氏は語る。

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