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XYZプリンティングが開発中のフードプリンタを国内初公開、クッキーや和菓子のプリント実演

XYZプリンティングジャパンは7月22、23日に東京ビッグサイトで開催された「三井食品フードショー 2015」に、開発中の食品3Dプリンタ「XYZ Food Printer」を参考出展し、和菓子の出力デモンストレーションを行った。

XYZ Food Printerはfabcrossでも過去に何度か紹介した食品専用の3Dプリンタで、今回は開発中の試作品を展示した。

本体内部に専用のカートリッジを3本までセットできる。食材としては小麦粉とミルクを練ったものや和菓子の餡、チョコレートなどを想定している。

プリント用の3Dモデルデータが登録済みで、3Dモデリングができない一般消費者層でも簡単に利用できるとしている。また、XYZ Food Printerには保温や加熱機能は無く、クッキーの場合は別途オーブンで焼く必要がある。

スライス/出力ソフト「XYZware」もXYZ Food Printer専用に開発している。

データをスライスすると隙間が多いデータに変換されるが、これは食材の太さや固さをシミュレーションした上でのスライスデータで、温度が適切であれば、隙間なく出力されるという。 

抹茶を練り込んだ餡を使った練り切りの出力デモの様子。カートリッジに詰められた餡を押し出して造形する。1mm、2mm、4mmと大きさの異なる穴が開いたカートリッジがあり、積層ピッチはソフトウェア上とカートリッジの両方でそれぞれ設定する必要がある。
プリント速度は素材にもよるが1分あたり5gが目安という。

練り切りの完成品と断面。試食したところ、市販の練り切りと比べて密度が低く、淡い食感だった。

クッキー生地を出力して焼いたもののサンプル。

チョコレートのサンプル。

XYZプリンティングジャパンの資料によると、XYZ Food Printerは本体サイズが480×471×610mmで、最大造形サイズは150×200×150mm、積層ピッチは0.8~3.2mm、前面の5インチフルカラータッチパネルディスプレイから操作可能で、USBでPCにも接続可能。使用可能な素材としては「ペースト状の食材」としている。国内での販売時期と価格は未定。

また、三井食品との関係については「国内での材料パートナーを選定している中での候補の1社」(製品担当者)としている。 

また、製品のデモとあわせて今後の商品ロードマップも更新され、Computex Taipei 2015で展示したインクジェット方式の3Dプリンタ「3D Jet」を2016年に販売する予定としている。3D Jetは光硬化樹脂を使用し、最大造型サイズは148×106×120mm(Computex Taipei出展時の資料より)。

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