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科学技術振興機構や大阪大など、人と違和感なく対話できる女性アンドロイド「ERICA」開発

科学技術振興機構(JST)、大阪大学、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、京都大学は、人間に近い外見を持ち人と違和感のない自然な対話ができる女性アンドロイド「ERICA(エリカ)」を開発した。

ERICAは、JSTが実施している戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)の1つとして開発されたアンドロイド。ERATO石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクトの石黒浩 研究総括(大阪大学大学院基礎工学研究科教授、ATR石黒浩特別研究所所長 ATRフェロー)、河原達也氏(京都大学大学院情報学研究科 教授)らが、自律対話型アンドロイドの研究プラットフォームとして開発した。

これまでのアンドロイドと異なり、実在の人物をモデルとはせず、「美人顔」の特徴を参考にしてコンピュータグラフィックスで合成して作られた。これまでの研究において、人間は時として人間よりもロボットとの対話を好むという結果を得ており、姿形を合成することで、ロボットとしての親しみやすさと人間としての存在感を併せ持ち、見た目において人との自然な対話を実現するための試みを行ったという。

対話時の自然な振る舞いを実現するため、ERICAには音声認識技術、音声からの動作生成技術、ロボット制御技術などの要素技術が調和して動くよう搭載した。これにより、研究室の来客と対話し自己紹介をするという限定した状況で、相手の動作や音声を認識し、人間らしい振る舞いを伴った会話が可能になったとしている。 

提供:ERATO石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト 提供:ERATO石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクト

ERICAの動きは、圧縮空気を使った駆動装置である空気圧アクチュエーターを頭部を中心に19本埋め込むことによって実現しており、2年後をめどに30本に増やし、腕も含めた上半身が人間らしく動くよう改良する予定。今後、ERICAを研究プラットフォームとして、見た目と振る舞いを統合的に進化させて、日常生活で、操作者なしで人間と対話する機能を備えた自律対話型アンドロイドの実現を目指すとしている。

ERICAは、身長166cm、能動関節19カ所(受動関節30カ所)、左右の眼球に1つずつCMOSカメラ、両耳にマイクロフォンを備える。制御は外部PC(OSはWindowsおよびLinux)で行う。 

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