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ペットボトルや新素材からも3Dプリント用フィラメントを作る「NEXT 1.0」

FFF(熱溶融積層)方式3Dプリンタ用のフィラメントを製造できるデスクトップサイズの押出機「NEXT 1.0」が開発された。Kickstarterでプロジェクトを立ち上げ、支援を求めている。

NEXT 1.0を開発したのは、オランダのベンチャー企業3devo。「より思いどおりに3Dプリンティングできるようにするためには、使用するフィラメントも自分たちでカスタマイズできた方がいい」と考えたことが開発のきっかけだったという。

そこで同社がフィラメント押出機を調査してみたところ、既存品は産業用中心で非常に高価。操作も分かりづらかった。NEXT 1.0はそうした既存品の課題を踏まえ、1年半の企画・設計・開発期間を経て生み出された製品だ。

同社によると、一般的なフィラメントの価格は1kgスプール当たり40ドル(約5000円)。それがNEXT 1.0でフィラメント1kgを製造するのに必要なペレットの価格は、PLA樹脂かABS樹脂の場合は5ドル(約620円)程度で済む。実に8分の1の価格でフィラメントを手に入れられるようになるとうたっている。

またNEXT 1.0を使えば、不要になったペットボトルなどのプラスチック製品もフィラメントにリサイクルできる。3Dプリントに使って失敗したプラスチックも、NEXT 1.0を使えばフィラメントとして再利用可能。さらに、市場には流通していない新素材をフィラメントに加工できる点も、特徴の1つとして挙げられている。 

NEXT 1.0の本体サイズは、506×216×540mm(ホッパー部を含む)。63%の出力で1時間当たり1kgのフィラメントを製造可能。RPM(1分当たりの回転数)、PWM(パルス幅変調)、各種ゲインなどの設定を調整できる。

産業用と同水準の精度で造られた押出機用スクリューを備え、正確に温度制御できるようにシリンダー内のヒートゾーン3カ所にはそれぞれ熱センサを取り付けた。シリンダーに原料を注ぎ込む漏斗型のホッパー部には、原料の残量が一定量を下回るとアラートを発し、ホッパー内が空になると押出機を停止させる機能を搭載。製造されるフィラメントの直径をリアルタイムに計測するシステムも装備している。

Kickstarterでは9月13日まで出資を募集。目標額は5万ユーロ (約690万円)で、8月18日時点で1万5000ユーロ(約210万円)以上が集まっている。

本体価格は1850ユーロ(約26万円)。早期申込の割引適用分として、1350ユーロ(約19万円)と1699ユーロ(約23万円)のプランも用意。そのうち1350ユーロ分は既に上限に達し、1699ユーロ分がまだ残っている。 

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