9000ドルで買える産業グレードFFF方式3Dプリンタ「STACKER S2」
2017/03/24 08:00
堅牢なキャスター付ラックに納められた3Dプリンタ「STACKER S2」が、Kickstarterで注目を集めている。
STACKER S2は、教育/製造/プロフェッショナルデザイン向けに開発されたFFF方式デュアルヘッド3Dプリンタで、従来のホビー向けと産業向けの間の価格帯を狙った製品だ。ホビーユーザーでも手が届く、産業グレードの3Dプリンタだとしている。
STACKER S2の2つのホットエンドはガントリー上に設置され、第1ヘッドと第2ヘッドは別々に動かすことができるという特徴がある。これを生かすために3つの印刷モードが用意されており、コピーモードでは、第2ヘッドをガントリー上で固定することで第1ヘッドとシンクロさせて動かし、同じ造形物を同時に出力することができる。この場合の最大造形サイズは175×315×525mmとなる。
2色/マテリアルモードでは、デュアルヘッドによる2色同時印刷や、異なる2素材を同時利用したプリントが可能だ。一体型のデュアルヘッドとは異なり、作動していない側のヘッドは造形物から遠ざけることができるため、液ダレなどのトラブルを回避しやすい。
シングルヘッドモードでは、第2ヘッドをガントリーレールから取り外すことで、造形エリアを広げ、最大390×315×525mmの造形が可能となる。ヘッド収納用のストレージブラケット(オプション)も5月をめどに開発中とのことだ。
対応フィラメントは、1.75mm径の汎用PLAフィラメントに加え、colorFabbが開発したPLAベースの各種フィラメントにも対応する。弾性に富んだフィラメント「nGen FLEX」や真鍮フィラメント「BrassFill」のほか、青銅、竹などの微粉末を配合したフィラメントがあり、多様な質感を表現できる。ホットエンドは最大300度まで加熱できるため、高温を必要とする特殊なフィラメントも利用できる。
本体寸法は615×780×1190mm。最小積層ピッチは50μmで、最大1000μmまで調節可能だ。ヘッド移動速度は0~250mm/秒、プリント速度は1~150mm/秒となる。
標準ノズル径は0.4mmで、オプションにより0.25~1mmサイズが選択でき、ノズル交換も容易だ。電源電圧は100~240Vに対応し、消費電力は1000W(ファン作動時)だ。
価格は8995ドル(約99万9000円)。Kickstarterでは早期割引版として、5995ドル(約66万6000円)で購入できるプランを用意している。国外発送にも対応しているが、送料は699~999ドル(約7万7700~11万1000円)としており、確認が必要だ。自分で輸送方法を指定する場合、ハンドリングチャージとして199(約2万2100円)ドルが必要だ。
STACKER S2は3月31日までKickstarterにてクラウドファンディング中だ。目標額の7万5000ドル(約833万円)に対し、3月23日時点で2倍以上となる20万ドル(約2220万円)以上を集めている。プロジェクトが順調に消化された場合、早期割引版は2017年7月、通常版は2017年5月の出荷を予定している。