最高速度毎秒600mmで高精細プリント——プロ向けデルタ型3Dプリンター「Protonium」
2017/06/02 16:00
大容量の造形エリアを備え、高精細かつ高速プリントが可能なプロ向けデルタ型FFF(熱溶融積層)方式3Dプリンター「Protonium」が、Kickstarterで出資を募っている。
Protoniumは、産業グレードのステッピングモーターに加え、高出力のモータードライバーやカーボンファイバー製で頑丈かつ軽量なデルタアームを採用している。これらにより、プリントヘッドの最高移動速度750mm/秒、最高造形速度600mm/秒を実現。開発元によると、従来のFFF方式3Dプリンターと比較してプリント効率を2.4倍高めたとしている。
また、PLAフィラメントを使って作成したサンプルによる引張試験での引っ張り強度は、縦方向56.7MPa、横方向51.8MPaであり、従来の3Dプリンターによる造形物と比較してそれぞれ3.6倍、1.5倍の強度だという。
最小積層ピッチは12.5μmで、ノズル径は0.2mm。モジュール0.5の遊星歯車のような精巧な部品もプリント可能だ。
1.75mm径PLA/ABS/ナイロンなど市販の汎用フィラメントに対応しており、プリントノズルの最高温度は300℃、ベッドの最高温度は100℃までとしている。
データ形式はGcodeをサポートしており、SDカード、USB、Ethernet接続でのアップロードに対応。プロジェクトが順調に消化された場合、Wi-Fiモジュールを追加予定だという。
Protoniumは、造形エリアが異なる2つのモデルを用意している。Protonium S1の造形エリアは直径260×高さ300mm、Protonium S1 Plusは直径365×高さ500mmとなっている。
Protonium S1の小売価格は2999ドル(約33万円)、Protonium S1 Plusは4999ドル(約55万6000円)だ。どちらにも1.75mm径PLAフィラメント1kgが付属する。KickstarterではProtonium S1を1699ドル(約19万円)で、Protonium S1 Plusを2499ドル(約27万8000円)で購入できるプランを提供している。送料150ドル(約1万7000円)で日本への発送にも対応するが、付属の電源プラグはアメリカおよびヨーロッパ対応のみとなっており、注意が必要だ。
Protoniumは、2017年7月16日までクラウドファンディング中だ。目標金額は5万ドル(約557万円)。プロジェクトが順調に消化された場合、Protonium S1は2017年9月から、Protonium S1 Plusは2017年10月から出荷予定だ。