不在時の荷物受け取りに便利——オランダ発スマート宅配ボックス「LockBox」
2017/10/16 11:00
スマートフォンと連携して使う戸建て住宅用宅配ボックス「LockBox」がKickstarterでクラウドファンディング中だ。
小包や宅配便の受け取りは洋の東西を問わず頭痛の種のようだ。オンラインショッピングの利用増加に伴い、日本では受取人の不在による再配達が社会問題化しているが、海外では荷物が届くのを待って、丸一日、時間を無駄にしたといった話を耳にする。
配達時不在問題の解決策の一つとして、日本では宅配ボックスの設置が進んでいるが、LockBoxはスマートフォンと連携して使う戸建て住宅用の宅配ボックスだ。LockBoxは2014年にオランダで開発され、オランダ国内のパイロットユーザー300人によるテストを3年間行って完成させたという。
日本の宅配ボックスは、普段は施錠されておらず配達員が荷物を入れて施錠する。暗証番号方式の場合、配達員が暗証番号を設定して不在票に書き込み、受取人の郵便ポストに入れる。
LockBoxは、普段は施錠されており、配達員はLockBoxの外側に表示されているIDを使ってスマートフォンの専用アプリを介して解錠をリクエストする。リクエストは受取人に即時通知され、受取人は専用アプリ上で誰からのリクエストか確認して解錠を許可する。宅配業者はあらかじめ配達員を信頼のおける宅配業者として設定しておくことができるので、受取人は安心して許可できる。許可を受けた配達員は、スマートフォンからBluetooth経由で、または、暗証番号を手入力してLockBoxを解錠する。
このほか、通販で注文する際にあらかじめ設定した4桁の暗証番号を住所欄に入力しておき、配達員が住所ラベルに印刷された暗証番号を見て解錠するという使い方もできる。また、友人に渡したい荷物をLockBoxに入れておき、不在時に取りに来てもらうという使い方も可能だ。暗証番号は、LockBox本体または専用アプリ経由でいつでも変更できる。
LockBoxのサイズは750×400×300mmで、最大480×295×280mmの大きさの荷物を入れられる。解錠時に必要な電力には単4乾電池2本を使用し、2万回まで解錠が可能だ。電池の残量が少なくなると専用アプリにアラームが通知される。電池が完全になくなった場合でも、9V電池を別途用意してLockBox付属のケーブルで接続すると解錠できる。
LockBoxは、不在票による暗証番号通知より安全、外出中でもアプリ経由で配達されたことが分かるなどのメリットがある反面、配達員のスマートフォンに専用アプリがインストールされていなければならない、暗証番号を住所欄に入力する場合の安全性など、日本で使う場合の運用方法については検討する必要がある。
LockBoxの早期割引価格は、150ユーロ(約2万円)。色はグレーのみだ。出荷は2018年8月の予定だが、出荷先はEU諸国に限定されている。
LockBoxは2万5000ユーロ(約330万円)を目標に、2017年12月10日までクラウドファンディングを実施する。