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ケースレスで軽量化に寄与する構造バッテリー——人間の関節もドローンのバッテリーも「軟骨」が鍵

Image credit: Evan Dougherty, Michigan Engineering

ミシガン大学は2019年1月10日、ドローンの両翼や電気自動車のバンパーなどにエネルギーを蓄積できる「構造バッテリー」のプロトタイプを開発したと発表した。開発された構造バッテリーは電解質が「軟骨」に似た固体素材で、固い金属ケースは不要だ。高い強度と柔軟性を兼ね備えつつ、長期にわたって充放電できる。

構造バッテリーとは、それ自身が構造部材を兼用するバッテリーのことだ。ドローンなどでは全体の重量を減らし、航続距離を高められる可能性があるが、これまでに開発されたものは重く、短命で、安全でもなかった。ミシガン大学のNicholas Kotov教授は「構造バッテリーは軽く、強く、安全で、高い容量を持つ必要がある。不運にもこれらの性能は両立しないことが多い」と説明する。

この問題を解決するためにKotov教授が着目したのが「軟骨」だ。「軟骨は、バッテリーのイオン輸送物質として完璧だ」とKotov教授。実際、関節で骨と骨に挟まれる軟骨は耐久性が高く、水、栄養、その他の物質を通過させる。こうした性質は、バッテリーの固体電解質に求められるものとほぼ同じだ。

Kotov教授が開発した構造バッテリーでは、アラミドナノファイバーや亜鉛塩などの素材を使っている。アラミドナノファイバーは防弾チョッキの中身に使われる素材だが、それをコラーゲンの代わりとして活用。また、亜鉛塩とポリエチレンオキシド(鎖状の炭素系分子)を使用し、軟骨の柔らかい成分の代わりとした。

電極は一般的なアルカリ電池同様、亜鉛を負極に、酸化マンガンを正極に用いた。亜鉛を電極に使う二次電池では充電時にデンドライト(樹状結晶)が発生し、セパレーターを貫通して短絡するという欠点があるが、この構造バッテリーでは軟骨のような固体電解質がデンドライトの成長を防ぐという効果もある。

プロトタイプを作って試験したところ、100回以上の充放電サイクル後に90%の容量を維持することが分かった。また、衝撃や刺し傷にも耐えて液漏れせず、発火せずに放電し続けられることが判明した。ドローンに補助電池として搭載することで、飛行時間を5〜25%延ばせることも確認された。

今回の亜鉛「軟骨」バッテリーは、充放電の速さでリチウムイオン電池に劣るため、補助電源としての利用に適しているという。Kotov教授の研究チームは、充放電のスピードと寿命をより一層向上させるため、新たな電極を模索するとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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