浜野製作所、「AI ×モノ」で課題解決に挑む スタートアップの量産化を支援
浜野製作所は、2019年7月25日に開いた記者発表およびスタートアップ交流会において、2019年6月に経済産業省予算「ものづくりスタートアップ・エコシステム構築事業」に採択されたスタートアップの製品化/量産化を支援すると発表した。
浜野製作所 代表取締役の浜野慶一氏は、異業種のものづくり企業と協力し、共に手を携えて日本のものづくりを支えていかなくてはいけないと考え、2014 年より社会課題解決や新しい価値の提案に挑戦する起業家や新規事業担当者を製造業の立場で支援するものづくり開発拠点「Garage Sumida(ガレージスミダ)」を運営。これまでさまざまなスタートアップのハードウェア製造のサポートを行ってきた。
浜野製作所では3社を支援する。このうち足のトラブルを解決して健康寿命を伸ばすカスタムインソールを製造する「ジャパンヘルスケア」、人工知能を使った自動野菜収穫ロボットの「inaho」の2社がプレゼンテーションした。
ジャパンヘルスケアは、AIによる写真解析と3Dプリンターによって、硬く機能性のあるオーダーメイドインソールを提供するサービス「HOCO」を発表し、クラウドファンディングで資金を募っている。プレゼンテーションで、ジャパンヘルスケア 代表取締役 岡部大地氏は、浜野製作所からHOCOのインソールカバーの製造工程におけるカットや印字、3Dプリントパーツの製造、サプライチェーンで気を付つけるポイントや量産のサポートを支援してもらっていると説明した。
Inahoは、人手不足が叫ばれている農業にイノベーションを起こすべく、アスパラガスをはじめとした農作物の自動収穫用ロボットを開発し、量産化に向けて実証実験を行っている。inaho 代表取締役COO 大山宗哉氏は、「現在、農家さんから150件以上のバックオーダーを頂いている」とし、市場に投入する量産の実現を目指して、浜野製作所のものづくり環境を提供してもらうなどの支援を受けて40台の製造を進めていくという。
また、浜野製作所は7月26日より、「ものづくり相談サービス」を開始すると発表。ものづくり企業の製品化を実現するために、具体的な相談を継続的にできるサービスを目指すという。これまで行ってきた相談とアドバイスの内容に違いはないが、相談のたびに請求する都度方式ではなく月額方式にするとし、相談の中で発生した成果物に対しても後から請求するなど、やり方を模索しながら進めていくという。