Intel、800万のニューロンからなる新しいAIシステムを開発
2019/08/15 10:00
Intelは2019年7月15日、人間の脳の動きを模倣したニューロモルフィックシステム「Pohoiki Beach(開発コード名)」を公開した。自動運転やスマートホーム、サイバーセキュリティといった分野において、リアルタイム、高効率、低消費電力のAI処理が可能になる。
Pohoiki Beachは、Intelが2017年に発表した第5世代自己学習式ニューロモルフィックリサーチチップ「Loihi」を64個搭載し、800万のニューロンで構成している。Loihiは、従来の畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)と異なり、人間の神経細胞を巧みに模倣したスパイキングニューラルネットワーク(SNN:Spiking Neural Network)だ。128コア構成のLoihiチップは、用途によっては一般的なCPUより1000倍速く、1万倍効率的な処理が可能だという。また汎用GPU、専用IoTハードウェアと比べて、消費電力が格段に少ないのも特徴だ。
次世代AIには予想外の状況や曖昧な状況への対応が強く求められている。Intelは研究機関と協力して、歩行中の義肢の予期せぬ動きに対応したり、カメラの情報を使ってテーブルサッカーゲームを自動化したりと、新しいシステムの実用化に向けた取り組みを進めている。自動運転向けに、GPSを使わずに位置推定と地図作成を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術にも応用できる。
2019年後半には、Pohoiki Beachをベースに1億個のニューロンからなる「Pohoiki Springs」を発表予定。最高レベルの性能と効率をもたらし、ニューロモルフィック技術の商業化への道を切り開くだろうとしている。
(fabcross for エンジニアより転載)