Makerコンテスト「GUGEN 2019」、大賞は法政大学生による家庭用発電機「Planter」
ピーバンドットコムは、実用性や商品性の高い自作ハードウェア作品を表彰するコンテスト「GUGEN 2019」の展示会と授賞式を、2019年12月8日にアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京で開催した。159作品の応募の中から一次審査を通過した61作品が展示会に出展。6組のファイナリストの中から、法政大学の関谷直任氏による家庭用発電機「Planter」が大賞に選ばれた。
Planterはマンションやアパートなど集合住宅でも手軽に導入できる発電機。ベランダに設置し、風力発電でバッテリーに蓄電する仕組みだ。バッテリーは発電機から切り離して、スマートフォンの充電やベッドライトなどに使用できるとしている。
一般の生活者でも発電/消費の実感ができるようなインターフェースにすることを意識している。
受賞した関谷直任氏によれば、Planterは約半年をかけて開発。受賞を機に今後も継続して開発していきたいと抱負を述べた。
その他の主要な受賞作品は以下の通り。
優秀賞:WAN-CHAN
WAN-CHANは靴に装着する温度監視デバイスで、40度以上の温度を検知するとランプの色が変化して歩行者に知らせる。路面の温度が上がりやすい真夏でも、散歩の際に犬が火傷しないためのデバイスとして開発したという。
犬ではなく飼い主である人間に装着する仕様なので、幼児など犬以外にも応用が見込まれる点が評価された。
優秀賞:Wearbo
布にプリントしたインクを通じて文字入力するキーボード。
伸縮性と感度の高い導電布を使用し、手書き入力モードとフリック入力モードに対応している。Bluetoothで接続したスマートフォンやパソコンに入力結果を転送でき、満員電車など狭い場所でも文字入力が可能になるとしている。開発は東大生によるチームで、2020年のSXSWにも出展予定だ。
Goodアイデア賞:flotect
高齢者による入浴時の事故を予防するプロダクト。
入浴時に使用者が浴槽に浮かべて、浴槽内の水面の揺れを監視する。水面に変化が長時間見られなかったり、激しく揺れたりした場合を異常とみなし、本体からのブザー音や、家族のスマートフォンへの通知、浴槽の側面に設置した自動排水装置による排水などを通じて、事故を未然に防ぐとしている。
若いMakerが躍進。海外からも多数参加
11年目を迎える今年のGUGENは大学生の躍進が目立った。ファイナリストには法政大学から3組、東京大学から1組が進出。特に法政大学は大賞、優秀賞、Goodアイデア賞と上位を独占するなど大きな躍進を遂げた。
また、ファイナリストにはインドネシアから応募したチームもノミネートするなど、参加者の多様性にも広がりを感じる結果となった。