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レトロな蛍光表示管を使って時計を作ろう——デジタル時計キット「VFD Layer Clock」

緑色に輝く蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display:VFD)を使ったデジタル時計キット「VFD Layer Clock」がKickstarterに登場し、キャンペーン開始後1時間で目標額を達成するほど人気を集めている。

VFD Layer Clockは、電子管の一種であるVFDを使い、カスタマイズ可能なオープンソースの組み立てキット。積み重ねて使用する3種類の基板と、最上層の基板に設置するVFD4本で構成する。以前fabcrossで紹介した「Raspberry Pi PCB Ruler」のクリエイターが開発したものだ。

30V程度で動作するVFDは、美しい緑色の光を放つ。1970年代には旧ソ連でも多く製造されていたが、現在は供給数に限りがある。今回のキットに含まれるVFDは、クリエイターが保有する「IV-3」表示管と「IV-6」表示管の2種類で、主にウクライナ製だ。IV-3のほうが若干小型だが、IV-6より若干明るく寿命も長いという。

VFD Layer Clock
VFD Layer Clock

VFD Layer Clockの最下層は水晶振動子によって時を刻むメイン基板で、すぐ上に位置する中間層の基板に2進化10進数(BCD)形式で時刻を出力する。メイン基板はTTLベースまたはRaspberry Pi Picoベースのどちらかを選べる。

中間層の基板は、BCD形式入力を7セグメント形式に変換するコンバーターや、照明効果用に緑色の3mm LEDを搭載する。オプションの砲弾型5mmLED搭載ディスプレイと組み合わせて、BCD入力から直接バイナリークロックを作製することもできる。

7セグメントVFDで時刻表示するために使用されるのが、最上層の基板だ。電源オン/オフスイッチ、時刻合わせ用のボタンや、明るさ調整用のポテンショメーターも搭載する。

全基板の回路図とPCBファイルはオープンソース化しており、クリエイターのWebサイトで公開されている。VFD Layer Clockは部品点数が多く、はんだ付け作業が必要な上級者向けの組み立てキットだが、組み立てに関する説明書はクリエイターのWebサイトで公開予定だ。はんだごてやヤニ入りはんだは自分で用意する必要がある。

VFD Layer Clockのキャンペーン価格は、IV-3AまたはIV-6のVFD4本を含むセットで90ドル(約1万3000円)。出荷は2022年11月の予定で、日本への送料は18ドル(約2500円)だ。PCBの色は緑または黒から選べる。

VFD Layer Clockは、2022年9月19日までクラウドファンディングを実施中。2022年9月5日時点で、目標額2000ドル(約28万円)の5倍を上回る約1万1000ドル(約150万円)を集めている。

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