エンジン作動中の内部が見えるシースルーのジェットエンジンを作製
2022/10/09 07:00
これまでにさまざまなエンジンの改造や実験を行い、その過程を動画で公開してきたYouTubeチャンネルWarped Perceptionが、ジェットエンジンの仕組みを視聴者に見せるため、内部が見えるシースルーのハウジングを持つ小型ジェットエンジンを作製し、その過程などを撮影した動画を公開した。
動画では、まず各パーツを加工して動作を確認していくが、ジェットエンジンを組み立てる際に最も重要な部分の1つである回転機構のバランスがおよそ5mg崩れていたので、調整している。2つの平面のそれぞれが誤差1mg、2mgに収まったところで、各パーツを組み立て始めている。
続いて、ジェットエンジンの基本的な動作プロセスである「ブレイトンサイクル」について説明をしている。ブレイトンサイクルとは圧縮と膨張が可逆断熱変化によって、加熱と冷却が可逆等圧変化によって行われるサイクルのことだ。
動画ではジェットエンジンの各部を指し示しながら、吸気口から入った空気が圧縮機によって圧縮され、その高圧の空気がステーターを通って燃焼器に移動すること、燃焼器で燃料と混合して点火されると熱と膨張したガスが発生し、エンジン後部から噴出してタービンホイールを動かし、これが圧縮機を動かす動力となってサイクルを完了するが、それと同時に推力も発生することが説明されている。
完成したシースルージェットエンジンをテーブルに固定して実際の動作が披露されるが、停止してみると排気口側のシリコンガスケットが圧力で外れてしまっており、アクリル製ハウジングの内側に空気の流れによって付着した汚れが確認できた。
ハイスピードカメラでスローモーション撮影もしたが、通常のカメラでの撮影映像と比較してそれほど大きな違いは認められなかったようだ。
最後に、エンジン手前に霧状の白煙を出すフォグマシーンを設置してエンジン作動中に噴霧し、吸気とエンジン内部の空気の流れを可視化しようと試みているが、予想していたほど空気の流れが目に見えるようにはならなかった。
今回の動画では、ジェットエンジンの内部を可視化することで、ジェットエンジンがどのように機能するのかが示されていて興味深いと話題になっている。
(fabcross for エンジニアより転載)