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1970年代に開発された戦車シミュレーターをRaspberry Piでレストア

Raspberry Pi公式ブログが、Raspberry Piを使ってレストアされた1970年代の戦車シミュレーターを紹介した。

このシミュレーターは、1970年代にスイス軍が考案開発した戦車操縦シミュレーターで、実際に軍の訓練に使用されていたものだ。過去には何千人もの戦車兵がこのシミュレーターで訓練したという。

1970s tank simulator restored with Raspberry Pi

さまざまな戦車用に全部で12台のシミュレーターが存在していたが、レストアされたのは世界で唯一現存し今でも作動する「Panzer 68」シミュレーターだ。1970年代当時、CG技術はまだ実用的ではなかったため、ミニチュアのジオラマ模型を使って戦車の走行訓練が実施できるように設計されている。

1970s tank simulator restored with Raspberry Pi

戦車の操縦席を再現したキャビンに入ると、ジオラマ模型に設置されたカメラからの映像を目の前のスクリーンで見ることができる。キャビン下部の油圧装置で戦車のリアルな動きを再現しており、ステアリングやギアチェンジなど戦車の基本的な操縦方法を訓練できる。

1970s tank simulator restored with Raspberry Pi Tom Scott/YouTube
1970s tank simulator restored with Raspberry Pi Tom Scott/YouTube

コンピューターモジュールはメモリー機能を搭載しており、X/Y軸の座標に基づき模型上の路面状況に応じて、砂利道や積もった雪の上などの走行シミュレーションが可能だ。

1970s tank simulator restored with Raspberry Pi

シミュレーターは、スイス北部のアールガウ州フル・ロイエンタールにある軍事博物館に保存されており、博物館の利用者は実際にシミュレーターを動かして体験できる。

1970年代に作られたメインコンピューターは交換部品が入手困難だったため、Raspberry Piに置き換えられている。また、カメラやスクリーン、照明など一部の部品を交換し、レストア完了までおよそ1年半~2年を要したという。当時のプログラムは紙媒体で残っていたが、Raspberry Piで使えるプログラミング言語に移植する必要があり、何日もかけて入力したとのことだ。

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