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建物の外観に溶け込む太陽電池パネルが登場——イタリアの遺跡が試用中

屋外用のLED照明や太陽電池ソリューションを開発する伊Dyaquaは、「Invisible Solar」と呼ぶ技術を使用した太陽電池パネル、「Invisible Solar Rooftile」を販売している。このパネルは、建築物の外観を損ねることがないため、文化遺産などにも設置できる。

同パネルは2018年、イタリアのポンペイ遺跡で、歴史的建築物の屋根に設置された。外観の特徴として、テラコッタ瓦を模している。その構造は、建材と独自開発の高分子化合物の間に、単結晶シリコンセルの太陽電池パネルを挟み込んだサンドウィッチ構造だ。

この高分子化合物は、光子を吸収し、無毒でリサイクルにも対応する。外観は不透明だが、太陽光線を太陽電池パネルに透過させる特性がある。それらの特徴により、テラコッタ、石材、コンクリート、木材などの多様な建材の外観を模して、形状や色の選択肢が用意される。

他にもInvisible Solar Rooftileは、静荷重への耐性、化学溶剤や大気中の薬剤への耐久性に優れる。光触媒機能により屋根瓦の表面を清浄に保ちながら、空気を浄化する効果がある。

Invisible Solar Rooftileの諸元は、1枚あたりの最大出力が7.5Wp、重量2.0kg、動作温度-40℃/+85℃、防水性能はIP68、燃焼性はUL94規格の等級がHBである。

公的機関も同社の技術を認めている。イタリアの文化財・文化活動・観光省は、文化財のエネルギー効率を改善する手段として同製品を紹介した。また、文化遺産省とイタリア学術会議が推進する「スマート考古学公園」のプロジェクトに関連して、ポンペイ考古学公園で試用されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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