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貼るだけで肝不全がわかる——MIT、臓器の硬さ変化をセンシングする超音波ステッカーを開発

Credits:Image: Courtesy of the researchers

マサチューセッツ工科大学(MIT)を中心とする研究グループが、体内の臓器の硬さを継続してモニターできる、小型のウェアラブル超音波ステッカーを開発した。ステッカーを皮膚に貼るだけで、肝不全や腎不全、固形がんの進行など、病気の兆候を感知できる可能性がある。研究成果は、『Science Advances』に2024年2月9日付で公開されている。

臓器移植後の患者モニターなどの臨床現場では、肝臓や腎臓の硬さを測定する方法として、超音波エラストグラフィが用いられている。超音波エラストグラフィでは、医療者がプローブを患者の皮膚の上で操作し、プローブから超音波を送る。超音波が臓器に到達すると、臓器はわずかに振動してせん断波がプローブに戻ってくるが、臓器が硬いほどせん断波の戻りは速いので、振動のパターンから臓器の硬化程度を知ることができるというものだ。しかし、この方法は医療者がプローブを当てる必要があるため、臓器移植後に定期的な検査をしていたとしても、臓器が機能不全に陥っていることに気づくのが遅れる恐れがある。

研究チームはこれまでに、体内深部の組織や臓器を画像化するための超音波ステッカーを開発している。この超音波ステッカーは縦波を使用したものだったが、今回、臓器の硬さを計測するために、せん断波を感知する超音波エラストグラフィをステッカーに応用することにした。超音波エラストグラフィは切手サイズのステッカーに収まるまで小型化され、128個の小型トランスデューサーが25mm角のチップに組み込まれている。皮膚への貼付方法は、ハイドロゲル性の接着剤を利用した。ハイドロゲルは、音波をほぼ損失することなくデバイスの内外を通過させることができる。

ラットを用いて開発した超音波ステッカーを試験したところ、48時間にわたり肝臓の硬さを連続して計測することができた。また、この計測から急性肝不全の初期の兆候を観察し、後に組織サンプルで肝不全を確認している。研究チームは、この超音波ステッカーをヒトでも使用できるように改良中だ。肝臓や腎臓の移植後にこのステッカーを患者に貼付し、集中治療室(ICU)で継続的に臓器の硬さの変化をモニターすることを想定している。また、固形がん進行を長期的にモニターするために、自宅で使用することも考えている。

fabcross for エンジニアより転載)

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