Dig up the underground「プロダクト一機一会」by 松崎順一
遊びながら子どもの創造性を引き出すキッズ向け電子ガジェット 「SONY Sound Pad SOP-1000 (my first Sony)」
コロナ禍の中、2020年に都内に出したお店に、家電蒐集家らしい特色のある商品を置きたいと思い、本格的に集め始めたのがカセットテープだ。そのカセットテープの人気が最近上がり始めているらしく、なぜ人気なのかについて取材を受ける機会が増えている。
筆者が思うには、デジタルの時代にあえてカセットテープで音楽を楽しむのは、アナログ回帰ではなくファッションだと感じている。さらに自分自身のこだわりを演出するツールとしての役割もあると思っている。どちらにしてもカセットテープに興味を持ってくれることはとても嬉しい。そのためにもカセットテープをひたすら集めながらその魅力を発信し続けていきたい。
さて今回紹介するのはサイズ的にはカセットテープといい勝負の小型電子ガジェットだ。それは以前にも何回か紹介したことがあるソニーの「my first Sony」シリーズの中のひとつで「サウンドパッド」という小型のリズムマシンだ。それでは製品を見てみよう。
「my first Sony」シリーズの特徴は、ほとんどの製品が電池だけで動くことだ。コンセントを使用しないので、子どもでも安心して使用できるのが素晴らしい。
製品パッケージの箱はかなり劣化しており一部は破損しているが、中身には影響がないようだ。パッケージの窓から一部商品が確認できるデザインになっている。
パッケージの箱の背面が取扱説明書になっていて、箱を捨てない限り説明書をなくさなくてすむのも子ども目線からのアイデアなのだろうか。
パッケージには、本体と、より具体的な遊び方が記載された「プレイカード」と呼ぶ冊子が入っている。
サウンドパッド本体は筆者の手で持ってちょうどいいサイズだ。子どもだとかなり大きい感じがする。ただ重量は電池を入れても軽いので、持って遊ぶには苦にならないと思われる。
プレイカードはこんな感じで、表はパッドの押し方の例を簡単に説明している。裏面はさらに凝った遊び方が記載されている。
電源スイッチは上部にある緑のボタンで、横にスライドすると電源が入る。7つのパッドにはそれぞれサンプリングされた音が割り当てられていて、押し方次第でさまざまな音の出し方が楽しめる。そしてビートのパターンに合わせて演奏することもできる。
本体の背面に電池ボックスがあり、単三乾電池2本で稼働する。
そして忘れてはいけないのが、サウンドパッド本体だけでは音は出ないので、写真のようにラジカセなどにつないで音を出す仕様になっていることだ。つなぐ前には機器のジャックの種類も確認しよう。
「my first Sony」のコンセプトは令和の現代でも古さを感じない。今の技術を使ったらどんな「my first Sony」が生まれるのか。考えただけでもワクワクしてしまうのだ。
「SONY Sound Pad SOP-1000 (my first Sony)」
発売時期:1989年
1989年に起きた主な出来事
- 海部内閣が発足
- 歌手の美空ひばり死去
- 日本テレビ系列で『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』レギュラ一放送開始。