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イベントレポート

「ファブラボ」の原点に触れる旅——第11回世界ファブラボ会議参加レポート

さて、丸1日を費やしたシンポジウムですが、合間にはファブラボらしい楽しみに満ちたアクティビティも用意されていました。

Fabercize

ステージ上の名人に合わせて舞う! ステージ上の名人に合わせて舞う!

ひとつはFabercize(Fab + exercise)。 簡単に言えばコリをほぐすためのいろいろな体操で、あまりFAB要素はないのですが、大勢の大人たちと一丸になって踊るとむしょうに笑えてきます。Faberciseは会期中も適宜行われ、日本のファブラボメンバーは某ようかい体操を踊ったとか踊らなかったとか……。

Fab Noise Band

シンポジウムの映像。冒頭の数分で私たちが挑戦しています。

もうひとつ、今回私たちが出し物として挑戦したのが「Fab Noise Band」。その名の通り、ファブラボの機材が出す音(Noise)を声だけで再現するという出し物です。半ば冗談のようなこの企画ですが、同じような機材を使う仲間にとってはやはりあるあるネタだったようで、会場の一部は爆笑に包まれていました(残りはドン引きだったそうです)。

Fab Academy の修了生たち。 Fab Academy の修了生たち。

シンポジウムの終盤では、オンライン版"How to make (almost) anything"であるFab Academyの修了式や、次年度「FAB12」の世界会議の会場である中国の深センへの引き継ぎセレモニーが行われ、プログラムは終了となりました。

シンポジウムが終わってみると、とにもかくにもその規模に圧倒されている自分に気がつきました。何百何千もの人が「ものをつくる」ことをキーワードにして集まり、世界各地で活動している。そして、その人たちが互いの取り組みを理解し、時には同じ場所に集まって話し合い、一緒に手を動かし、踊り、笑う。「ファブラボは世界的なネットワークだ」とは定型文のように聞いてきましたが、その感覚がリアリティを伴って自分の中に染み込んでいきました。

今までも、ものづくりを介したコミュニケーションはとても心地よく楽しいものだと感じていましたが、それはあくまで自分の手の届く範囲にとどまっていました。しかし、それが何層にも折り重なっていくことで、今回目にしたような新しいつながりや場所が生まれ、時には誰かの人生や社会の仕組みを変えていくかもしれない。会議の参加者と同じようにものづくりを学ぶ人間として、自分には何ができるのだろう? と考えさせられる機会となりました。 

Boston Fab Fest

シンポジウム後の週末には、Boston Fab Festという催しが行われました。ファブラボ関係者を中心にした、誰でも参加できるMaker Faireのようなイベントです。数多くの出展がありましたので、写真を中心にダイジェストで紹介したいと思います。

リマのファブラボによる、編み物ブース。 リマのファブラボによる、編み物ブース。
遠くまで走る車を作る子供向けのワークショップ。規模が大きい! 遠くまで走る車を作る子供向けのワークショップ。規模が大きい!
デジタル刺繍ミシンのレクチャーブースがあれば…… デジタル刺繍ミシンのレクチャーブースがあれば……
ひたすら竹を「手作業で」加工するブースもある。 ひたすら竹を「手作業で」加工するブースもある。
こちらは教育に関する討議を行うセッション。 こちらは教育に関する討議を行うセッション。
会場にはよくわからないものもたくさん! 会場にはよくわからないものもたくさん!

ゆったりとした雰囲気の中、30前後のブースが展示を行っていました。来場者は、地元に住む親子連れが多かったような印象です。幼い頃からこういったものづくり文化に触れた子供は、将来どのように成長していくのでしょうね。

ShopBotのSallyeさんと。 ShopBotのSallyeさんと。
左手前が拙作「ふりかけプリンタLunchBot」。 左手前が拙作「ふりかけプリンタLunchBot」。

大学のメンバーと一緒に自分の作品の展示も行ったのですが、多くの人が興味を持って接してくれました。シンポジウムで味わった大きな渦の中に入り込めたような感触がして、とても嬉しかったです。

まとめ

今回は学生という立場でファブラボ会議の一端を垣間見ることができました。しかし、ここで紹介した内容はほんの一部に過ぎず、数多くのセッションやワークショップ、それ以外の突発的な交流や企画など、数をあげればキリがありません(中には24時間以内に人が乗れる潜水艦を作る! なんていうチャレンジもあったようです)。

ファブラボ会議は関係者に限られたセミクローズなものではありますが、ものづくりが生み出す世界的なつながりを肌で感じることができ、とても貴重な経験をすることができました。何より、活気にあふれた人々に囲まれた日々は、この上なく楽しいものでした。来年、再来年と会議は続いていきますが、また自信を持って参加できるよう、改めて自分の活動を進めていきたいと感じさせられる1週間でした。 

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