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ゲストで登場したArduinoの開発者デイビッド・クァティレス氏にもインタビュー

真夏のお台場を熱くするMakerの祭典Maker Faire Tokyo 2016 レポート

ArduinoはMakerの世界を広げた

——デイビッドさんたちが作ったArduinoはここ10年で知らないMakerがいないほど普及しました。ArduinoはMakerの世界をどう変えたと思いますか?

デイビッド:Arduinoの普及に関しては、我々は非常についていたと思います。Arduinoを作った頃、時期を同じくしてMakeマガジンも生まれました。彼らもArduinoのようなマイコンボードを読者のために探していたので思惑が一致したと思います。もちろん、最初から大学の授業で使えるものを目指していたので、学校関係者にはすぐ普及しました。普及のポイントは価格とオープンソースハードウェアという考え方でしょうね。価格に関しては、それまでは1万円以上するものばかりだったから、複数個使うのが難しかった。それが使えるようになりました。また、オープンソースハードウェアという考え方に関しては、最初は学問の世界で、やがてビジネスの世界でも理解されるようになりました。新しいものを生み出すことに寄与することがわかってきたからです。Arduinoは趣味として物を作る人々の世界を充実させただけでなく、学問やビジネスの領域までその世界を広げる役目を果たしたと思います。

Maker文化、STEM教育の未来

——Maker文化あるいはSTEM教育の未来はどんなものになっていくでしょうか?

デイビッド:まず、Maker文化の定義はどんどん変わっていくでしょうね。宗教みたいなものですね。元は同じでも時代によってそのあり方は変わっていく。やはりインターネットの存在は大きい。ここ10年でMakerのコミュニティを結びつけてきました。今後はIoTが主流になっていくでしょう。いろいろな人たちが参画し、いろいろなものが結びつけられることで、さらに多様性が担保され、そこから考えられないようなものが生み出される。そんな未来がやってくるのではないでしょうか? STEM教育に関して言えば、今後は学校現場が主体になっていくと思います。やがて、人々の常識や教養といったものになっていくでしょうね。

——ありがとうございました。

「ArduinoはMakerの世界を広げた」と語るデイビッド氏。 「ArduinoはMakerの世界を広げた」と語るデイビッド氏。

Maker Faire Tokyo 2016

会期:2016年8月6日(土)12:00~19:00、8月7日(日)10:00~18:00
会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場)西2ホール+アトリウム
主催:株式会社オライリー・ジャパン
ウェブサイト:http://makezine.jp/event/mft2016

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