今週行ってみたいイベント
携帯電話にデザインというDNAを取り入れた15年——ケータイの形態学 展 - The morphology of mobile phones -(丸の内)
“デザインケ-タイ=au”と強い印象をユーザーに植え付け、携帯電話業界として斬新な取り組みを行ってきたau(KDDI)が、そのau Design projectの15周年を記念して「ケータイの形態学 展 - The morphology of mobile phones -」を2017年7月31日まで丸の内のGOOD DESIGN Marunouchiで開催している。コンセプトモデルから実際に販売したモデルまで約70点を展示した初の試みだ。
au Design projectの原点
2001年、auとプロダクトデザイナーの深澤直人氏は後に15年間続くau Design projectの原点ともなるプロトタイプを生み出した。ファッション、携帯文化、テクノロジーの面から今後のケータイがどうなるべきかを考え生み出された。その後当時としては珍しく、自動車メーカーがコンセプトカーを発表するスタイルでコンセプトモデルを発表し、ユーザーの反応などを加味しながら開発を行ったそうだ。
コンセプトモデルから製品へ。製品化には運も必要!?
コンセプトモデルから製品化する際には、素材や製造方法、テクノロジーの制限をクリアしなくてはならない。製品化検討段階でちょうど良い塗装方法が見つかったり、製品化を請け負ってくれるメーカーが現れたり、社内でコンセプトがすんなり受け入れられたりと時期的な運も製品化の壁を破るには重要だったそうだ。
ケータイと人の関係性や距離感
ケータイと人間の距離感がどんどん近くなる中、互いの関係性や距離感を考える取り組みも行われた。ケータイはアートになりえるのか? 楽器になるか? 最近では常時外部情報と接続している現代において、距離を置くためのケータイはどんなものか? などさまざまな観点からau Design projectは進化を続けている。
7月27日にはINFOBARなど数々のau Design projectに携わってきたプロダクトデザイナーの深澤直人氏がトークショーを行った。深澤氏はトークショーの中でプロジェクトに携わってきた15年を振り返り、「現代ではSNS内でコミュニティを形成していくことが重要で、これはハードウエアの業界でも重要だと感じる、ユーザーはデザインしないにしろハードウエアを所持することで携わった感覚や仲間意識が生まれる。日本人は同調に強い興味を引かれる傾向があり、同調が増えコミュニティができ、大きなムーブメントになる。au Design projectもそうだったし、いいハードウエアには使ってくれる人たちを引き寄せる力が有るのだと感じる」と語っていた。
まだまだ紹介したいモデルがたくさんあるが、残りはぜひ会場で実際に見てほしい。初公開のモデルや、製品開発のプロセスを見ることができる貴重な機会であるとともに、自分が生きてきた歴史の中にケータイが寄り添っていたことを改めて気付かされる展示となっている。
ケータイの形態学 展 - The morphology of mobile phones -
会期:2017年7月21日(金)~7月31日(月)11:00~20:00(最終日のみ17:00終了)
休館日:会期中無休
会場:GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F)
入場料:無料
オフィシャルサイト:http://time-space.kddi.com/adp15th/index.html
主催:KDDI