今週行ってみたいイベント
100年の時を刻んだものづくりの物語——「CITIZEN We Celebrate Time 100周年展」(南青山)
1918年に創業し、今年100周年を迎えるシチズン時計(以下CITIZEN)。創業100年を記念した展示『CITIZEN“We Celebrate Time”100周年展』が2018年12月16日まで、東京・南青山のスパイラルガーデンで開催されている。100年の歴史と、これから向う未来をテーマにした展示だ。
時間とはなにか? 100周年を迎える時計メーカーが考えた答えとは
日本で初めて部品から製品まで懐中時計の自社一貫製造を行ったCITIZEN。本展では「光と時」をテーマにしたインスタレーション「LIGHT is TIME」などの作品も展示されておりエモーショナルにCITIZENを表現している。ほかにもCITIZENがその時代時代の新技術を腕時計に応用してきた挑戦の歴史や、マニュファクチュール※の真髄を示す現場の映像や、道具の展示などから時計メーカーとしての信念を表現する展示空間となっている。
※マニュファクチュール…時計の駆動装置(ムーブメント)から製品まで自社で製造する時計メーカーのこと
CITIZENは超高精度ムーブメントにより年差±1.0秒を実現した時計を2018年発表した。それまでクオーツ時計は年差±3.0秒が最高精度、と言われていた時計業界で±1.0はすごいインパクトだった。この1秒に着目した作品「Synchronized Time」は1秒間に起きるさまざまな事象、例えば「1秒の間に富士山麓では61万トンの水が湧き出る」「1秒の間に新しいWebサイトが9個作られる」など1秒に対する感じ方や捉え方、1秒のすごさを改めて感じさせてくれる。
100年進化を続けてきた足跡
本展ではインスタレーションの他に、CITIZENが100年の間に開発した数多くの時計たちが展示されている。様々な技術革新を時計に込めてきたその挑戦は、CITIZENという名前に込められた「市民に愛され市民に貢献する」という思いを体現し、世の中になかったものを生み出してきた歴史だ。その中から数点を紹介するが、会場にはたくさんの時計が展示されているのでぜひ会場で歴史をたどってほしい。
またCITIZENのものづくりにおいて不可欠な、時計/機械/道具/心それぞれを展示した映像作品や道具も展示されている。なかなかお目にかかれないものも多いのでぜひそこにも注目してほしい。
日本人なら誰もが知っている時計メーカーも100年前は今でいうスタートアップベンチャーだったのかもしれない。今スタートアップベンチャーを立ち上げようとしている人や、何かに挑戦しようとしている人、いろんな人になにかを感じさせる展示だと思う。ぜひ会場に足を運んでほしい。
CITIZEN We Celebrate Time 100周年展
会期:2018年12月7日(金)〜12月16日(日)11:00~20:00
会場:スパイラルガーデン(東京都港区南青山5-6-23)
入場料:無料
休館日:会期中無休
オフィシャルサイト:
https://citizen.jp/100th/event/spiral/index.html