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ものづくりを続ける未来を見直す 終わりに向かい始まるアイデア——「廃業を目指すデザイン展」(銀座)

産業廃棄物問題についてデザインの視点からオランダの創造性豊な興味深い活動を紹介し、その中から我々がやるべき事を問いかける展示「廃業を目指すデザイン展」が、2020年12月15日まで東京・銀座のATELIER MUJI GINZA Gallery2で行われている。

継続し、拡大成長するだけが社会じゃない

展示ではリサイクル材で作られたボートのモックアップやさまざまな廃棄物が壁面を覆う。 展示ではリサイクル材で作られたボートのモックアップやさまざまな廃棄物が壁面を覆う。

私たちはものをつくるとき、それがユーザーにどう使われるかを想像するが、捨てられることまで想像している人はどれだけいるだろうか。経済発展や豊さを求める上で廃棄物問題は深刻な問題だ。本展では成長を目指す社会の中で、“廃業を目指す”企業Plastic Whaleの活動を中心に、デザインが廃棄問題の解決策を導き出す突破口になる可能性を紹介している。

176kgのペットボトルをプレスした塊。ペットボトル をリサイクルするにはキャップとラベルと本体を分別する必要がある。意外と知らない人も多いがそれぞれ素材が違うのだ。 176kgのペットボトルをプレスした塊。ペットボトル をリサイクルするにはキャップとラベルと本体を分別する必要がある。意外と知らない人も多いがそれぞれ素材が違うのだ。

アムステルダムに拠点を置く、世界初のプラスチック・フィッシング会社Plastic Whale。アムステルダムの運河で、水面に浮かぶ廃棄物を乗客がたも網ですくい上げる有料のボートツアーを日々開催している。このツアーでは回収したペットボトルのリサイクル材で作ったボートを使っており、誰でも楽しみながら難解な課題解決に参加できるアイデアがとてもユニークだ。運河にゴミがなくなった時、この企業の役目は終わり廃業するのだという。

リサイクルボートのモックアップ。ボートの床面はペットボトルのキャップでできている。ツアーに参加したお客さんはボートに乗り運河に浮かぶゴミをすくい上げる。 リサイクルボートのモックアップ。ボートの床面はペットボトルのキャップでできている。ツアーに参加したお客さんはボートに乗り運河に浮かぶゴミをすくい上げる。
運河で回収したペットボトル を原料にした再生プラスチックも展示されている。 運河で回収したペットボトル を原料にした再生プラスチックも展示されている。
モノ:ファクトリーが提供した廃材が壁面に展示されている。使われなくなった素材をどう生かすか、課題を投げかけられているようだ。 モノ:ファクトリーが提供した廃材が壁面に展示されている。使われなくなった素材をどう生かすか、課題を投げかけられているようだ。
ホエールテイルチェア:鉄加工の工場で生産過程に生まれた廃鉄でフレームを作り、ペットボトルから作られたリサイクルフェルトでできた椅子。 ホエールテイルチェア:鉄加工の工場で生産過程に生まれた廃鉄でフレームを作り、ペットボトルから作られたリサイクルフェルトでできた椅子。

私たちは、社会を、人の生活をより良く楽しく過ごすために新しいものづくりを行い続ける。経済の観点からも成長し続けることが正であるし、人間個人としても豊さや便利さの更新を求めなくなるのは難しい。そんな世の中に“廃業”を目指し立ち上がった企業があることは非常に驚きだった。ものづくりをしていて、捨てられることは想像しないように、終わりを想像するのは意外に難しい。だがそれをネガディブではなくポジティブに考え、新しいアイデアを生み出すこのプロジェクトの中には、今後の我々が取り組むべき社会問題を解決するために必要な思考プロレスがあるのだと思う。新しいものを生み出す我々には責任がある、ぜひ会場で私たちが携わるものづくりの先について考えてみてほしい。

「廃業を目指すデザイン展」
会期:2019年9月27日(金)~2019年12月15日(日) 10:00~21:00
会場:ATELIER MUJI GINZA Gallery2(東京都中央区銀座3-3-5無印良品 銀座 6F)
入場料:無料
休館日:店舗休館の場合は、それに準ずる。
オフィシャルサイト:
https://www.muji.com/jp/ateliermuji/exhibition/g2_190902/
主催:無印良品

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