今週行ってみたいイベント
テルミンからボーカロイドまで電子楽器が広げる音楽の世界——「電子楽器100年展」(上野)
1920年に電子楽器「テルミン」が生まれてもうすぐ100年。技術革新とともにさまざまなバリエーションと進化を遂げてきた電子楽器の軌跡と現在地を紹介する展示「電子楽器100年展」が2019年12月15日まで国立科学博物館で開かれている。
電子楽器の可能性を追い続けた100年
1920年レフ・テルミンが電子楽器「テルミン」を生み出して100年となる2020年を目前にして、この100年で電子楽器がたどってきた歴史や現在の電子楽器の動向を、展示を通じて体感できる「電子楽器100年展」。電子楽器の世界で日本は世界的なリーダーシップの役割を果たし、技術的な進化だけでなく、芸術や文化に大きな影響を与えてきた。本展では楽器の発展はもちろん、レフ・テルミンをはじめ、シンセサイザーを早く取り入れ作曲を行い高い評価を得て、4チャンネルステレオレコードの制作なども行ってきた冨田勲、音楽の規格MIDI(Musical Instrument Digital Interface)の制定に貢献しグラミー賞を受賞した梯郁太郎など、電子音楽に大きな影響を与えた人物を取り上げる。特に冨田勲、梯郁太郎が電子楽器を通じて音楽の文化にどう影響を与えたのかを掘り下げ、グラミー賞やゴールドレコード賞をとった経緯や影響についても解説している。
本展で楽器が展示されるエリアは「電子楽器の偉人たち」と「電子楽器テーマ展示 “セネステシア”」 の2つのエリアがある。セネステシア(=体感)エリアでは展示してある楽器に触れたり、演奏のデモンストレーション演奏を聴いたりできる。会場によって会期が異なるので、詳細はオフィシャルサイトでチェックしてほしい。
期間中さまざまなワークショップやトークショー、コンサート、映像作品の上映などが企画されている。目と耳を使って楽しめる展示なのでぜひ足を運んでみてほしい。
「電子楽器100年展」
会期:2019年12月3日(火)~2019年12月15日(日)9:00~17:00(金、土曜は20:00まで)
会場:国立科学博物館(東京都台東区上野公園 7-20)
入場料:一般・大学生:630円、高校生以下および65歳以上:無料
オフィシャルサイト:
http://www.kakehashi-foundation.jp/activity/concert/20191203/
主催:国立科学博物館、かけはし芸術文化振興財団