fabなび
c8cafe(クリパカフェ)(石川県金沢市)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は石川県金沢市のc8cafe(クリパカフェ)。金沢市の繁華街近くにあるコワーキングスペース「ITビジネスプラザ武蔵 CRIT」の中にあるファブ施設だ。
c8cafeが現在の場所にオープンしたのは2017年。きっかけは2013年にさかのぼる。地元企業に勤めていた竹田大志さんはデジタルファブリケーションとファブ施設の存在を知り、以前から温めていた地元金沢のコミュニティー作りにファブ施設が生かせると考えていた。
「金沢は昔から伝統産業があり、ものづくりの歴史/文化も豊かな土地です。そうした背景がある土地で、ものづくりをキーにしたコミュニティーがあればと思っていました」
(竹田さん)
地元にファブ施設がないか調べたところ、地元の大学教授や技術畑の会社員らが中心となって「ファブ金沢」というコミュニティーが立ち上がったばかりだった。竹田さんがコンタクトを取ってみると、昔の知人が関わっていた。ファブ金沢はその後解散したが、竹田さんは意志を引き継いで販促広報とデザインの会社C8LINK(クリパリンク)を立ち上げ、その事業の一環としてファブ施設を立ち上げた。
当初は自身で借りたスペースでファブ施設を運営するほか、機材を持ってイベント等に出張することで地元の人たちにc8cafeをピーアールしていた。その結果、地元での講演や取材も受けるようになり、竹田さんは金沢のMakerコミュニティーを代表する1人として認知されるようになった。
現在は金沢市が運営するベンチャー/スタートアップ向けのコワーキングスペース「ITビジネスプラザ武蔵」内に拠点を移し、毎月1回無料で機材を使える日を設けている。それ以外の日はワークショップに参加するか、事前予約すれば利用可能だ。
市が運営するコワーキングスペースの中にあるとあって、地元企業のエンジニアやデザイナー、近隣の学生など利用者も幅広い。また、データ制作や加工をC8LINKに発注することもできる。
「いろいろな人に、この施設を使ってほしいし、クリエイターをサポートしたいという思いがあります。ここをきっかけにして、データの作り方のレクチャーや社内ファブ施設のコンサルティングといった相談にもつながっています」
竹田さんのビジョンは石川県を世界一のものづくり地域にすること。そのためには行政や他の企業との連携はもちろん、他地域にあるファブ施設との連携も重要だが、最も大事なことは地域の良さを損なわないことだと竹田さんは考えている。
「石川県の地域柄や県民性、地の利を加味してファブ施設をローカライズしていきたいですね。都市圏に比べればファブ自体の認知度も低いので、文化を育て、市場を作るというスタンスでやっていく必要があると思います。元々持っている文化にファブの精神が宿ると、いろんな人の仕事に広がりができるし、ハッピーになれる人も増えるんじゃないかなと思います」
概要
c8cafe
所在地 | 金沢市武蔵町14-31 ITビジネスプラザ武蔵 CRIT内 |
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営業時間 | 10:00~22:00 ※オープンデーの日程は金沢市のウェブサイトを参照、もしくはC8LINKに直接お問い合わせください |
URL | http://c8link.com/ |
料金 | オープンデーは無料。 |
備考 | 機材講習やワークショップは別途有料。詳しくはC8LINKに直接お問い合わせください。 |