fabなび
谷6Fab(大阪府大阪市)
全国各地のファブ施設を紹介するfabなび。今回は大阪府大阪市の「谷6Fab(たにろくふぁぶ)」。大阪市営地下鉄谷町線谷町六丁目駅から徒歩数分、細い路地に面したマンションの1階にあるファブ施設だ。
谷6Fabのオープンは2015年12月。店長の高橋悠貴さんが前職を辞め次の仕事を探していた時、父親の謙司さんが個人的にレーザーカッターを所有していたことから、親族が持つマンションの1階を改装し、ファブ施設としてオープンすることを決めた。会員制は設けておらず、利用は全てドロップイン方式で、LINEからも予約ができる気軽さが特徴的だ。
谷6Fabの主力機材はUVプリンター。悠貴さんが趣味で取り組んでいた同人活動の経験から、オリジナルのイラストを用いたグッズを作れることに着目し、施設のオープンに先駆けて導入した。500円から利用できるグッズ製作プランでは、スマホの写真やイラストを用意するだけで、アクリルキーホルダーやプリントキャンバスの完成までサポートしてくれる。オープン以来、悠貴さんのTwitterを見て訪れる方や謙司さんのものづくり仲間を中心に、イベント用のグッズ制作や店舗の看板、出産祝いの写真など幅広い用途で活用されているという。
悠貴さんは谷6Fabの運営と並行して、「CRAFT TENJIKULABEL」という屋号でグッズの制作と販売を行っている。メイン商品であるタブレットスタンドは、画面に角度をつけてイラスト制作や音ゲーのプレイを快適にするもの。強いタップ操作などで奥方向にずれてしまうという市販品の欠点を、テーブルのふちに前脚部分をひっかけることで改善した。同人誌の即売会などのイベントに出品すると、1日に20台売れることもあるという人気商品だ。
「機材をそろえてから、無いグッズは自分で作ってしまおうという考えに変わりました。市販品を探すよりも、自分で作ったほうが目的にあったものが完成します」と語る高橋さんは、自身も谷6Fabの機材を最大限活用したものづくりに取り組んでいる。なかでも傑作とも呼べる作品が、Nintendo Laboの作品コンテストに投稿した「ミニバトルシップToy-Con」だ。
Nintendo Laboのソフトに内蔵されているプログラム製作機能(Toy-Conガレージ)の情報が公開されてからすぐに仕様を想像して設計を始め、発売から2週間後にはプロトタイプが完成していたという作品は、審査員から「工作クオリティはNo.1!」とのお墨付きをもらい、金賞を獲得した。作品はその後「つくろか!」などのMaker系イベントに出展され、子供を中心に来場者を楽しませるだけでなく、谷6Fabに訪れるきっかけを生み出すこともあるそうだ。発売から1年経った今でも、次回作や技術ブログの準備を進めており、プログラミングのレクチャーなども計画しているという。
利用者だけでなく店主もMakerとして機材を使い倒し、趣味と実益を兼ね備えた秘密基地となっている谷6Fab。UVプリンターを活用したグッズ製作はもちろん、日本に6台しかないコンテスト景品のNintendo Switchを見に行くこともオススメだ。
概要
所在地 | 〒542-0012 大阪府大阪市中央区谷町六丁目4-38 高橋マンション1F |
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営業時間 | 土曜日、日曜日 13:00~19:00 平日 不定休、13:00~19:00 |
URL | http://tani6fab.org/ |
料金 | デジタル工作機械使用料 ・UVプリンター A6サイズまで 2000円、A5サイズまで3000円 ・レーザーカッター 30分以内 2000円、30分延長1000円 グッズ製作プラン ・アクリルキーホルダー 1点(60mm×70mm) 500円 ・プリントキャンバス(158mm×227mm) 2000円 その他、詳細は公式サイトを参照のこと。 |