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今月もクラウドファンディングに◯◯万円使っちゃいました by Kibidango

最近気になってる「浮かぶ」ハードウェアと、Pebbleの事実上の倒産について

Pebbleの事実上の倒産に思うこと

クラウドファンディングという言葉が市民権を得て、もてはやされるきっかけになった会社が先日静かに幕を閉じました。

今や世界最大のクラウドファンディング・プラットフォームとなった米国Kickstarterで合計40億円以上を集め、一躍時代の寵児としてもてはやされたPebble(ペブル)。

そのPebbleが2016年12月7日にFitbitに買収され、自社製品の開発を中止したと発表しました。ウェアラブルって難しい、ということが改めて浮き彫りになったかと思います。

そもそも初代PebbleがKickstarterに登場したのは2012年4月。Apple Watchが登場したのが2015年4月ですから、その3年も前にスマートウォッチで最初に成功したプロダクトとして名声を得ました。

当時はe-Ink技術を使った白黒のスクリーンでしたが、その後カラー版のPebble TimeをApple Watch登場前夜の2015年2月に公開、そしてつい最近もPebble 2のプロジェクトで2016年5月に13億円以上を集めたばかりでした。

今回の発表によると、3つ目のプロジェクトの中で発表されたプロダクトのうち、Pebble 2は既に支援者向けの出荷が完了したものの、Pebble Time 2とPebble Coreは出荷されずにキャンセル扱いとなり、今後返金が行われるとのこと。実際に私も12月13日に返金が完了した旨の連絡がありました。

Facebookの最後の投稿に対しては、5000件を超えるリアクションが付いていますが、その約3分の2が「悲しいね」もしくは「ひどいね」というもの。

コメントを見ると、Apple WatchやAndroid Wear、Fitbitなどの既存のプロダクトには決して満足しなかった人達がこのプロダクトを愛していたようです。「新しい章がFitbitで始まります」とのPebbleのブログに対しては「自分の中では今回が最終章」「この先の章は全く違うストーリーだから読みたくない」などのコメントが。胸が痛みます。

2015年にはシチズンとの7億4000万ドルでの買収交渉が、そして2016年にはIntelとの7000万ドルでの買収話があったとのうわさもあるようですが、共に条件が折り合わず、今回の4000万ドルでの売却となったとのこと。

エンジニアの多くがFitbitに加わるものの、Pebble社の持つ知的財産などの特定の資産のみの買収の形態を取り、Pebble Technologyという会社自体は清算されるとのこと。
(ソース:TechCrunch https://techcrunch.com/2016/11/30/fitbit-pebble/

Kickstarterで最も多くの資金を集めたプロジェクトがこのような形で幕引きするのはとても残念ですが、これでクラウドファンディングで注目を集めていたウェアラブル/IoT熱が冷めてしまうのか、引き続き注視したいと思います。
個人的には腕は2本しかないので、ウェアラブルデバイスがどんどん出てこられても正直困ってしまうのですが……。

おまけ

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